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「日向ひょっとこ夏祭り」

 日向市を9時に発ち帰福の約5時間半。会長と先生が運転を交代し、私は後ろで昨晩の“日向ひょっとこ夏祭り”について談笑する気楽なドライブである。気忙しい私の運転に比べ滑らかでスピードに変化が少ない非常に優しい運転である。私も見習わなければならない。
「来年はマイクロバスを仕立てて会長運転で10数名で行きましょう」と、昨夜の興奮の余韻を残すかのようなF先生の言葉に会長初め4人に異論があろう筈もない。


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「日向ひょっとこ夏祭り」_f0201348_9155854.jpg 未熟な私達の教室から8月5日の個人戦出場は無く、8月6日の集団パレードにF先生は“福岡ひょうきん族”の列に加わり、私達4人は個人出場枠の“にわか連“86人の中に名を連ねる。








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 夏の陽射しに一汗掻きながら待ち合わせのF先生宅まで15分のウォーキング、家並みの生垣から覗く百日紅の濃い紅色、淡いピンク、そして純白の花が蒼穹に映え、その美しさが蝉時雨を存分に忘れさせてくれる。約束の時間通り8時に日向市へと先生がハンドルを握る。

「日向ひょっとこ夏祭り」_f0201348_9302133.jpg 熊本地震で途中通行止めになっているだろうことを想定しながら、日田市から一般道に入り小国経由で“やまなみハイウェー”の瀬ノ本高原、“荒城の月”の岡城を経て、岩峰「大崩山」への分岐道がある326号線を下って延岡市から日向市に入るルートを設定していた。

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 案の定、松原ダム手前で通行止め。温泉地帯に張り巡らされた若干狭い道路を縫いながら、いつしか私がいつも九重連山に入る道路へと出る。
後は一本道。途中、行きがけの駄賃として502号線沿いにある“原尻の滝”に寄り昼食をとる。私は”椎茸のチーズフライ定食”に少なからず満足して後部座席に着く。老生の5人、途中トイレタイムで道の駅に寄り日向市へ一直線、14時20分に”ホテルメリッサ日向”に到着。


「日向ひょっとこ夏祭り」_f0201348_9353492.jpg 高架となったモダンな日向駅前に在り、更に私の4階の角部屋から会場の舞台が一目に入る。

「日向ひょっとこ夏祭り」_f0201348_937419.jpg そこから延々とした待ち時間。
6時のパレード開始まで駅前広場のひょっとこ関連の露店を廻り、パレード後の9時半の夕食懇親会までの繋ぎとして、ネムの木立に日陰を求めビールに焼きそばを添えて軽く腹拵え。

           (観光客にひょっとこ踊りの指導)⇒
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 北は北海道から南は鹿児島まで、2千人超の参加者に噎せる会場。
1コース20~30mを7コース踊るが、概算1kmの道程に2千人の踊り手と観光客や応援の人出。予想を遥かに超えての待ち時間に、コース毎にボランティアによるスポーツ飲料と水のサービスを受けるが、茹だる汗と立ちん坊の下肢への負担はそのまま気分を徐々に削いでいく。

「日向ひょっとこ夏祭り」_f0201348_12142615.jpg 一つの救いは私達4人の前には個人戦で2度の金メダルを獲得したNさんがいる。踊りの合間々々にコツを習い、踊りに魅了されながら、また経験談で決して飽きさせない彼である。
 反面、その名人が傍らに侍っているお蔭で、観客の私達への視線も笑いも拍手も無く、全てを毟り取られ唯々諾々と基本に徹しテンテコ テンテコ テンテコテン。
更に、”にわか連”には一番人気の子供達が後ろで可愛らしく踊っているので、視線の無さを肌身に感じる。やはり囃す観客あっての踊り手であるし、同時に「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」も実感する。
 73歳の名人の薀蓄ある言葉と踊りには余りあるほどの匠さが漂っている。私が一番足りないと感じている「切れと間」を踊りで見せてくれる。そして、指先から爪先まで神経の行き届いた一連の流れるような動きに30数年積み重ねた練習の日々を垣間見る。
また、彼のお面は自分流に特注した恵比寿様のようであり、軽くおどけ顔に品も備えている。そのお面はやはり彼にしか似合わない。
そのお面を撮りたく「宜しければお面を撮らせてくれませんか?」とお願いすると、観る人を喜ばせる精神そのまま、その場でお面だけではなく切り取ったように形(なり)をしてくれた。永六輔さんや曽野綾子さんの言葉通り、73歳にして世の中に借りを返している。
 偶々、彼が片手間で繁殖和牛を飼っているとの話から、共通点を見出した私は、先ず東国原前知事がTV番組(プレバト)で詠んだ俳句を先生が手直しした「ひまわりや 畜魂29万頭」の句を話すと、「いやー素晴らしいですね!」と、当時を感懐するような態で即座に反応して頂き話題が拡がって行く。
 競走馬に匹敵するように遺伝子検査によって厳しく守られる黒毛和種の系統や、家畜法定伝染病による殺処分と移動禁止の範囲を理解しているので、僅か数キロ離れて家族同然の牝牛の殺処分を免れた彼の気持ちを忖度するにつけ、その素直な喜びが手に取るように分かる。私も当時担当していた事業で、本県への侵襲時の実害とリスク管理システム作りに苦労したことを思い出す。


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「日向ひょっとこ夏祭り」_f0201348_1242741.jpg 最後は観客の待つメイン舞台を全員が踊りきって審査発表に入る。既に9時を過ぎている。朱に染まった最終の審査発表会場に名残り惜しさを落としながら、9時半となっていた懇親会の会場へと会長と人垣を分け出でる。
 N名人が”にわか連”の最優秀賞に輝いたことを特筆しておきたい。(残りの成績は「2016日向夏祭り」http://www.hyottoko.jp/で)





 10時前から“福岡ひょうきん族”の方々7名と合同懇親会、当然のように深夜まで大盛り上がり。
3日前に参加した自衛隊O駐屯地での「真夏の集い」で缶ビール2本飲んで、卑しくも72歳にして冷酒を4合飲み干し、目が覚めると玄関で寝ていた体たらくを思い出し、「日向ひょっとこ夏祭り」_f0201348_15354299.jpg「日向ひょっとこ夏祭り」_f0201348_1536050.jpgジョッキの後はお湯7に焼酎3をお隣の女性に作って頂き、二日酔いが出ない程度に杯を重ねた。
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 帰りはほぼ同じルートで竹田へ、途中11時前にSDから”萩野=金、瀬戸=銅”のメイルが入る。道の駅でレモンソフトクリームと”ゆでもち”(ひしゃいだ餡餅)をご馳走になり、往路より1時間ほど早い帰着となった。



「日向ひょっとこ夏祭り」_f0201348_105432.jpg そして、4時間半後の7時からは先生の行政区での夏祭りの”ひょっとこ踊り”。
珍しく17人の大所帯、開始から間もなくの夕立に、会場を傍らの公民館へと疎開するが、スコールの如き雨上がりの良さで、区民の皆さん初め直ぐに元の公園へと取って返す。
 昨晩から来ているSDの妹もいる中、子供達を極力喜ばせながら、また日向夏祭りで消化不良になっていた分を倍返しにしながらの思う存分に10分間の踊りをする。

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by 1944tourist2004jp | 2016-08-08 09:47 | 趣味


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