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「雪山逍遥」(2)

「雪山逍遥」(2)_f0201348_1717581.jpg 昨年から公民館で習い事をしているが、その「日向ひょっとこ」のお面が届いた。
踊りは苦手で常に敬遠していた私であるが、SDの強い勧め(?)もあって仕方なく申込み、三日坊主を忘れ7ヶ月経った今も続いている。我ながら不思議である。
衣装は昨年の早い時期に届いていたが、お面は一つ一つが誂えで2月6日の初踊りに間に合うよう頼んでいた。勿論私の素顔に見紛うばかりのお面を作って貰った。
神楽に源流を見るという”日向ひょっとこ”、人を楽しませ笑わせるような踊りには程遠いが、仲間に紛れて頑張ってみよう。


 15分程度で準備を終え、登山道に向かうと路傍には残雪が広がり、山裾には大寒波の名残があり弥が上にも氷瀑への期待が高まる。

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「雪山逍遥」(2)_f0201348_17353933.jpg 林道を30分程度登った所でアイゼンを装着し、ほど良い登山客に渋滞も無くマイペースで登って行く。途中、下山の3人に挨拶がてら「氷瀑は如何でしたか」と訊ねると、「最高でしたよ!」と色よい返事。
私にとって一番の目的である縦走路の雪景色、水曜日であることを失念して下りの若い男性に「尾根の方はどうでしたか」と訊ねると、「昼から仕事がありますので登っていません」とやんわりと当たり前の返事が返って来た。 
 SDのペースも落ちないし、私も少しばかり腰に違和感はあるものの痛みは走らないので、休息することも無く、また水を飲むことも忘れ淡々と先に歩を進める。仏頂山への分岐点に来ると氷瀑に感激する歓声が三々五々と聞こえてくる。
 氷瀑を前にして、登山客はごった返しに非ず、また閑散とすることも無く、適度に場所を譲り合って記念写真が撮れ、今年の山登りを暗示してくれるかの如く期待通りの第一座登山である。

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「雪山逍遥」(2)_f0201348_17431186.jpg 直下で記念の写真を数枚収め、尾根道の方へ少し上がり間食として持って来た味パンと初めての水を口にする。殆ど汗を掻いていない私は精々100ml程度の水で満足する。
 真新しい踏み跡のついた尾根への山路、私達の前に女性5人グループがアイゼンを頼りに登っている。最後尾のお一人から「私達は尾根から三郡の方へ行くんですが、どちら方へ行くんですか」と訊ねられ、私は予定の周回ルートを返事する。何かしらお互いに知りえた山路を確認するようで実に楽しい一期一会である。
 札幌在住の若き日々、ワンゲルに所属して雪山に再三登っていたし、当たり前の寒さや雪に感慨を深くしたことはなかったが、南国での積雪は全く印象が全く違う。
重いテントや食料を目一杯押し込んだ30kg超のカニザックを背負い先輩にお尻を叩かれながら苦しい思いをしての山頂と、年金生活で時間に余裕があり、日帰りの軽くフィットした縦型ザックでの登山は鍛錬から程遠く苦しみは微塵もない。

「雪山逍遥」(2)_f0201348_17435222.jpg 樹幹や枝や葉に積んだ雪は芸術的な空間を作り出し、「空気も白く感じるね!」とSDも喜色満面で足を止め白の世界を楽しんでいる。
若干長い登りであるが、記憶を辿って山路を常に紹介しながら、二人とも息切れも無く真っ白な世界を登って行く。
 縦走路の手前で5人グループの方々が一息ついていた。彼女達が周りの景色を堪能する喜びの顔に、同調しながら縦走路へと足も軽い。



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by 1944tourist2004jp | 2016-01-28 17:45 | 山登り


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