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「リンドウの山」(2)

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 雨ヶ池直下の展望所で水分補給。山からの果てしない眺望はいつも私の心を洗い流してくれるが、下界に下りると空気のせいか生まれつきの気性なのか直ぐに煩悩が目覚めてしまうから困ったものだ。

「リンドウの山」(2)_f0201348_19325083.jpg 雨ヶ池の道端には数種類の花が咲いていたが、私には”アキノキリンソウ”以外名前は浮かんでこない。

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「リンドウの山」(2)_f0201348_1934142.jpg色んな方々からその都度教えてもらうが、いつも右から左へと通り過ぎてしまうか、夏の氷が解けるようにスーッと記憶から消えていく。今では花の名前を覚えることを完全に諦めている。

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「リンドウの山」(2)_f0201348_19352023.jpg ハンドルネーム”ぼん天棒”さんは、私の数少ない山友さんの一人であるが、彼は日々の感動と共に山登りのモチベーションの一つとしてこよなく山の花を愛している。その習熟度には感嘆する。ここ数年で、花の無い時期でも葉を見て名前と開花時期まで分かっている。
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「リンドウの山」(2)_f0201348_19374212.jpg 染まりきれない広葉樹の落葉、青空に抜ける紅や黄色の葉に間近に迫った秋を想う。

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 木段と石畳、そして両側をロープで制限した道、細やかにそよぐススキの音が一層静寂を醸し出す。その中、我一人”坊ガツル”へと下っていく。
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 平治岳や北大船からの稜線はミヤマキリシマの喧騒が嘘だったかのように、そのなだらかな曲線を大船山の岩峰へと美しく流している。行列はないだろうが、もう半月もすると紅葉のシーズンとなり、キャンプ場はテントがコラボするように彩りを添える。
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「リンドウの山」(2)_f0201348_19431454.jpg 法華院温泉への道沿いは今が盛りとばかりにリンドウが咲き、道のりは自ずと緩慢になってくる。
何か目新しい情報はないかと法華院温泉に寄ると、三股山から雨ヶ池のルートや白口谷ルートは集中豪雨で通行禁止となっているとのことであった。
駐車場で会ったご夫婦は、意に反してピストンとなったことだろう。しかし、私が下山した3時半にはまだ車があったので他に足を延ばしたかも知れない。


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 スガモリ越へ行くには余りにも物足りない。白口岳山頂から鉾立峠への急坂は下りで経験しているが、登りは未経験。山頂まで1時間半の予定でバンガローの横を通りぬけ峠へと急ぐが、灌木に入るまでの道のりにもリンドウが咲き乱れ足も自然と遅くなる。

「リンドウの山」(2)_f0201348_19462980.jpg 20分程度で鉾立峠に来ると、若者のパーティーに出逢う。白口岳からの急坂にも点々とする人影、2・30人の大パーティーである。
私が話しかける前に、リーダーの方から「新入職員の研修の一つで来てます」と紹介してくれた。
若いとは言え、初心者達にとって相当な強行軍である。長者原を起点にしてスガモリ越えから北千里浜、久住山、中岳、そして白口岳、坊ガツル、雨ヶ池を経由して起点に戻るという、私と真逆の周回である。

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by 1944tourist2004jp | 2012-10-04 14:38 | 山登り


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