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「山群逍遥」(4)

「山群逍遥」(4)_f0201348_17432629.jpg 少し食べ過ぎの腹を抱えて荒涼とした砂礫を歩く。細かい砂礫は踏ん張りが利かず、平坦だが結構苦労するものである。
 雪深い今年の1月に長者原から中岳に登って以来の北千里浜。荒漠とした中に一人居る私は、家族のこと、白寿間近で老衰してきたお袋のこと、今日の山登り、次の計画と果てることの無い自問自答を繰り返しながら歩く。

                       (1月山行時の北千里浜)「山群逍遥」(4)_f0201348_17505481.jpg



「山群逍遥」(4)_f0201348_17484991.jpg 2度目、3度目になるにつれ距離を短く感じることは、「まだまだ肢の衰えが無い証拠ではないか」と自認しながら、黄色のペンキが増えるにつれ勾配が厳しく成る久住分れへとペースを上げて行く。

「山群逍遥」(4)_f0201348_180190.jpg  予定より早く13時半久住分れ到着。
今日の行動について話すほどの接触に無かった鳥栖の男性とこの広大な山群で帰路に遭遇する。
雪の1月にも天狗の直下で風来坊さん達と偶然の出会いをしたが、山での思わぬ再会はとても嬉しいものである。
 その彼は先月に私が歩いたコースを逆周りしたとのことであった。
この偶然にお互い気分が安らぎ山歴やブログについて話しが弾む。私が最後の久住や阿蘇五岳を撮っている間に、「週末は難所ケ滝へ行きますよ」と言い残して彼は帰路に就く。

「山群逍遥」(4)_f0201348_1845699.jpg 特に変化の無い天気に写真を撮ることも無く淡々と牧の戸へと急ぐ。
「やっぱり!」と、泥状化した道に辟易としながら、またスパッツを付けていないことに後悔しながらの尾根道。
「もういいや!」と汚れることに拘泥すること無く歩き出した途端に右膝に違和感が生じる。
「山群逍遥」(4)_f0201348_186315.jpg
山登りで今まで経験したことの無いような痛みである。
沓掛山のアップダウンで透明感の女性を岩陰に見るが膝の痛みで追いつけない。徐々に痛みが激しく成り、負担過重になった左膝までおかしく成って来る。
 数分毎に膝の屈伸と休みをとって木段を下りて行く。
後ろから来た同年代風の男女4人に、気付かれたくないので路傍に逸れカメラを構え休息する。
蟹歩きのように木段から簡易舗装へと下りて行くと、折悪しく先ほどの4人組が展望台で休んでいる。
「山群逍遥」(4)_f0201348_189182.jpg
 空意地を張り、歩幅を小さく展望所の傍まで来て、最後に三俣山の写真を撮る。
雪の下りに一層気が重くなる。舗装の脇を時々木の助けを借りながら下って、やっとの思いで車まで辿り着き車傍で帰りの準備をしていると4人さんが後ろを素通りして行く。
 車を運転する分には問題なかったが、風呂に入るまでは右膝の屈伸が全くできなかった。
薄着と中岳石室から法華院までの下りで、気付かないうちに筋肉と膝の腱を消耗したのかも知れない。
次回の山登りに少なからず不安を感じる日々であるが・・・。
by 1944tourist2004jp | 2011-12-24 18:09 | 山登り


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