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「裏英彦山道を歩く」(3)

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 先ほどの男性がここで合流し、相前後しながら紅葉や山登りについてお互い経験を交えながら登って行く。

「裏英彦山道を歩く」(3)_f0201348_9141511.jpg私は南岳へ行く積りで上がって行くが、彼は途中から“裏英彦山道”へ入って行くと言う。

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「紅葉はこちらの方が綺麗ですよ」と仰る。
“みどる山の会”に在籍しており、豊富な登山歴をお持ちのようである。今夏もご夫婦で車中泊等をしながら、アルプス登山や観光で1ヶ月間超を楽しんだらしい。
存在すら知らなかった初心者の私は当然のように“裏英彦山道”へと彼の後姿を追うことにする。
落葉と岩場の道筋は判り辛いが、歩いたことのある彼は勿論迷うようなことは無い。

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 後ろで、私は写真スポットを探しながらついて行く。盛期には確かに少し早いが、全く気にならない。

「裏英彦山道を歩く」(3)_f0201348_9264415.jpg常緑の樹々に紅葉や黄葉が恥らうように覗く初期の景観、また逍遥する中に揺落の楓を見る少し時期遅れの風趣が好きである。
写真タイムの頻度が多くなり、鬼杉で合流したお二人さんが追いついて、いつしか4人のパーティーの如く登りを縦に連なる。

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「裏英彦山道を歩く」(3)_f0201348_934959.jpg “籠水峠”で一気に空が広がり、北には“鹿の角”の峭壁が立ちあがり、その谷底には落葉樹の大木が色付き始めている。

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そして、南西には豁然と連山の眺望が広がり、今日一番の展望である。
“みどる山の会”の彼は、「“猫ノ丸尾”へ行く」と言うお二人さんに同行することになり、私は一人山肌の紅葉を楽しみながら巻き道の“裏英彦山道”を薬師峠へと歩きだす。

「裏英彦山道を歩く」(3)_f0201348_944180.jpg 落葉に踏み跡は時々消されるが、山腹の方向は分かっているので赤テープを見逃しても直ぐ取り戻す。


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 目に飛び込んでくる真っ赤に染まった楓や黄色の大葉が目に入ると、分厚い落葉を踏みしめながらルートを外れ下からのアングルを探る。落葉の斜面、苔生した岩場、そして渓流と変化に富んだこのコースは面白い。

「裏英彦山道を歩く」(3)_f0201348_9463432.jpg 時々目にする山頂の程良い紅葉に、駐車場でお会いしたご夫婦も堪能していることだろう。
“垂水の壺”を過ぎ“ケルンの谷”に入ると、苔むした岩の隙間に人影が現れる。 中年の女性が白髪交じりの婦人を労わるように先導する、この二人連れは親子だろう。

「裏英彦山道を歩く」(3)_f0201348_9502463.jpg「1週間早そうですね」と奇しくも、先の彼と同じ言葉を耳にする。彼女も英彦山をこよなく愛して山歴を重ねているのかも知れない。

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「裏英彦山道を歩く」(3)_f0201348_9552888.jpg 渡渉後岩場に道を失う。概ね水平移動との思い込みである。
巻き道の地図を持っていないが、山岳地図上では薬師峠は北東方向になっている。30mほど後戻りして丹念に踏み跡を探すと確かに登り方向に付いている。
 中岳を見ながら岩上での3回目の休息は昼ご飯である。“お握り”の後のミカン、乾いた身体に甘く水分たっぷりでこの上えなく美味である。持って来た2個では少し物足りない。

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 後は赤テープに寄り添いながらスズタケの道を進み植樹林を下って行くと薬師峠である。奉幣殿を出て約5時間弱の山行であった

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 “薬師峠”登山口から数分で、シャクナゲ登山をした“鷹ノ巣山”登山口である。

「裏英彦山道を歩く」(3)_f0201348_1041430.jpg500号線に出て、路端で運動靴に履き替え高住神社へと向かう。
 石段を上がって行くと、観光客の中から「駐車場で会った方ですよね!」と突然話し掛けられる。
私の方から「頂上直下の急坂を忘れていました」と言い訳をすると、「前もって聞いていましたから助かりました。山肌の紅葉は今が一番のようでした」とお礼を言われる。
面映ゆい気持ちで二言三言歓談して、私は拝殿へと上がって行く。

「裏英彦山道を歩く」(3)_f0201348_1045294.jpg「裏英彦山道を歩く」(3)_f0201348_1014592.jpg


 「裏英彦山道を歩く」(3)_f0201348_106382.jpg2km強の自然歩道を別所駐車場へ歩くと、桜の季節に観光協会の方達が「春は桜、秋はカエデ」と禿げた山肌に植樹されていたが、今は若木だが綺麗に色付いている。


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by 1944tourist2004jp | 2011-11-02 10:08 | 山登り


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