間もなくすると西へ展望が開け、樹間に厳かに佇む奉幣殿と社務所が見える。 杉林の木漏れ日が伸びて行く中、盛期に一歩手前の色付きであるが紅葉や黄葉の抱えた水玉が陽光に照耀して期待を膨らませてくれる。 甚だ面倒くさがり屋で、汚れは山の勲章(?)と思っている私も雨後の道にスパッツを準備していたが、路辺は広く下草も無いのでズボンが濡れることは無い。 冴え冴えとした中、起伏を楽しみながら三呼峠への分岐点を過ぎ、学問神社からの合流点から苔むした石段を上り、短く下ると突然に南への展望が開ける。 杉の皮に挟まれた指導板、山同様歴史を感じてパチリ。 鳥居もどきの巨杉を仰ぎ見ながら広場に出ると、そそり立つ般若岩に嵌め込まれたような質素な社、玉屋神社である。 地図を取り出して峰々を確かめる前に先ずは拝礼である。 観望を楽しみながら初めての休息、空きっ腹にバナナ1本と汗した身体に補水して、見上げるような巨杉に送られるように、そして渓流音に導かれるように下って行く。 渓流沿いに杉林を上がって行くと、「ギギッー」と開き戸の軋むような音が2度3度と何処からともなく聞こえて来る。このような所で仙人か妖神にでも会えば最高だが、恰も仙郷の地にあらず。 想像するにへし折られた杉が風に軋む音であろう。 青空を背景に焦点を合わせたくなるような紅葉が次々と現れ、カメラを構えていると、予期せず年金夫婦が下りて来る。 「もう下りですか」と声を掛けると、「奉幣殿から中岳に登って下りて来るところです。早過ぎて靄に視界を閉ざされた展望はありませんでした」と残念そうであった。 暫く緩い登路にペースを落とすと今日初めての急坂出現である。2本のロープの助けを借りながら下り、平坦な狭道を用心しながら歩いて行くと、右に急坂が突然に現れる。ロープは無く木の根に助けを借りなければならない。剥き出しにしていたカメラをケースに収め四つん這い風に下りて行く。 間もなくすると岩窟の前に峭立する“鬼杉”である。同年輩の男性が、写真を撮るでもなく端然と眺めている。 3年前に来た時には保護ロープが張られておらず、真下から撮った記憶がある。公民館主催のグループ登山で中岳から南岳に来て大権現様へと下りて行ったが、断片的な印象しか残っていない。 窟の前に巍巍堂々として樹冠を見せない巨大杉は神を感じさせるに十分な雰囲気を持っている。すっくと立つ姿はいたわりの“縄文杉”とは違った威圧感を漂わせている。 このような大木は遙拝するに限ると、遠くからじっくりと見せて貰う。 数分後に二人の男性が合流して来たので、挨拶だけを残して先に出発する。 南岳へと歩を進めて、2度目の補水と味付けパンを頬張る。 前期高齢者は乾いた身体に、血液量を補うとともに粘性を避けるために定期的な水分補給と疲労回復のために即効性エネルギー補給として糖分を取りたい。
by 1944tourist2004jp
| 2011-11-01 19:16
| 山登り
|
おすすめコーナー
にほんブログ村 <お気に入りブログほか> ★ひねもすのたり ★年々歳々花相似たり ★desire photo ★コヨーテの山歩き ★私の自然遊歩道 ★九重の四季 ★さぬき写真工房 ★やまびこ会 ★海彦山彦さん ★★★★★ 通帳ケースにも使える マルチケース TRAVEL SLEEVE 夏デザイン! ふわふわワイヤーの キッズサンダル 透明ポーチ付き ポケットたくさん トラベルポーチ 日本のワークブランド BLUCO WORK GARMENT カテゴリ
以前の記事
2023年 09月 2023年 08月 2023年 03月 2023年 02月 2022年 11月 2022年 10月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 お気に入りブログ
最新の記事
最新のトラックバック
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||