殺風景な縦走路の中にも、コバノミツバツツジは既に来春の準備をして可愛らしい蕾を乗せている。
四方が開けた中に、頂上への門のように鎮座している岩に目礼して山頂広場へと入って行く。峠から丁度1時間である。
青空に暖かい陽射しもあり何とも言えない春のような山頂である。
しかし、展望は磨ガラス越しのように霞がかかっている。
天山を見る南斜面に風を避け昼の準備をしていると、犬を連れた初老の男性が遠慮がちに私達の背後を雷山神社へと下りて行く。
昼ご飯となれば家庭菜園が自ずと話題の中心である。
肉体労働派の私に比べ情報量豊かな風来坊さんである。
私の菜園でできたブロッコリーを食べて貰ったが、茹でただけのブロッコリー!最後の味付けを添え忘れて申し訳ない。
40分ほどの山頂の団欒に別れを告げ下って行く。
途中30分ほどの時間に、三々五々として登りの方達に出会う。
コヨーテさんに先導して貰った時には然程の急坂と思わなかったが、下りは意外と長く急坂に感じる。
上宮に着くと、男性一人湯を沸かしながら超然と昼を楽しんでいる。
それとはなしに目礼した後、礎石の狂った祠に訝しさを感じながら、二人して合掌、今日の無事を祈願する。
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