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「ヤマボウシの九千部岳」(1)

「ヤマボウシの九千部岳」(1)_f0201348_2174064.jpg 多汗症に変身したかのごとき今日の山登り。
 皆さん方と別れて、「九千部岳」山頂から見た赤屋根の桃源の地へと、硫黄の臭いに誘われるように下りて行く。
 汗、余裕ある時間、豊かな湯を湧き出している雲仙とくれば、二人とも意見に食い違いがある筈も無い。
 メインクロスにあるお土産屋さんに寄る。
私が入って行っても気付かない店主、閑散とした店内に微睡んでいたのかも知れない。
「近所にお湯だけ借りれる所ありませんか?」と訊ねると、丁寧にそして愛想よく「信号を50mほど下って、突当たりに“銭湯”がありますよ!」と紹介してくれる。
「ヤマボウシの九千部岳」(1)_f0201348_2175343.jpg 袋小路になったような隘路を進むと、確かに「銭湯」らしき建物がある。
「雲仙温泉には違いないので、ここでもよいか!」と賛同を求める。
1人100円である、リーズナブル以前の入湯料である。
 折角の雲仙で、構えに若干の不安を感じながら、浴場へ入ると全くの“銭湯”である。
 しかし、お湯の違いは湯気に感じる。
老人と思しき二人だけの浴場に入り掛け湯を汲むと、臭気、色、感触と久し振りに浸かる素晴らしい温泉である。
 疲れ果てているかのような寡黙な二人と私。
少し熱めの湯船に浸かっていると、同年輩らしき髪を染めた男性が入って来る。
髪の根元が白いので直ぐにそれと判る。
 「良いお湯ですね!」と声掛けると、「本当ですね、島原から時々浸かりに来ているんですよ!」と軽いトーンで返事が来る。
そして、「今日は普賢岳を散歩しての帰りです!」と湯船に満足気である。
「私も長崎の方々と九千部岳のヤマボウシを堪能してきたところです」と返すと、話しが弾み「普賢岳」爆発後の雲仙の寂れ方に戸惑いながら、島原・雲仙の現状を話してくれる。
 10分余りであったが、熱いお湯にのぼせ上がるように洗い場へと引き上げる。
私がぬるま湯を数回頭から流している間にも話が続く。
 山も同じあるが、全くの知らない方々との一時の話しは、新鮮味があって老境の私にはこの上なく楽しい。

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by 1944tourist2004jp | 2010-06-24 21:06 | 山登り


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