本峰の斜面に取り付いた所で後ろを振り返ると、東京の男性が西峰頂上に立っている。
南峰との鞍部を歩いている所へ、南峰から同年代風の男性が下りてくる。
ここでも10分程度、老境間近の男の会話が弾む。
北九州市の男性で、メタボ解消のために2年前から九重山群に入っているらしい。
今年一杯で定年を迎えるが、年金も65歳からと云うことで数年働かざるを得ないと言い残して、「又逢いましょうと!」と別れる。
健康検査で引っ掛からない身に大いに感謝しながら山頂へと急ぐ。
12時50分に本峰で「北峰、大鍋・小鍋」を確認して、カメラを「大船山」から「平治岳」へと焦点を合わせているところへ東京の男性が上がってくる。
目で挨拶を交わした後、「済みませんが写真をお願いします!」と請われ、山頂の標識を前にパチリ。
彼を残して、私は南峰へと向かう。
山頂直下の登りは水路にあたり泥濘んだ状態で非常に登りづらい。「ミヤマキリシマ」の根っこに助けられながら登って行く。
無残にも焼け焦げた山頂が少しでも回復していればと願うばかりである。
シーズンには確認できるだろう。
「坊ガツル」を中にして、東側の「大船山」、「平治岳」は同じ山群でも豊かな樹木のお陰で山の相が全く違うから面白い。
このまま大鍋、小鍋へと下りて行くのか、本峰まで戻って北峰経由で下りて行くのか一瞬迷うが、所期の通り北峰へと向かうことにする。
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