人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「泉水山から黒岩山へ」(3)

「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_18251460.jpg メインの山群に比較すると登山者は少ない。


「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_18232414.jpg

「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_18272571.jpg 私達を含め4組程度が山頂のミヤマキリシマに憩っている。
平治岳にように辺り一面に群生しているわけではないが、色鮮やかな花が無機質な枯笹の中からぽつん顔を出したり、露岩に彩りを与えたり何とも素晴らしい景趣である。
SDも想定外の満開に大いに満足しているようだ。

「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_182885.jpg


「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_1829231.jpg 大崩ノ辻や黒岩山の山肌のミヤマキリシマを見ながら縦走路に就き、いくつかの露岩のピークを越え大崩ノ辻へ寄り道することなく黒岩山へと向かっていく。
「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_18303832.jpg
「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_18322994.jpg

SDは山並みを背景とした花に立ち止まり、私はそれを写真に収めていく。
アップダウンに厳しさはなく、いつしか牧ノ戸峠との分岐点に至る。
「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_18354185.jpg 道筋は北へ灌木の中へと入って行く。
ごつごつとした露岩に気を配りながら15分ほど歩き、ピークの無い岩の山頂に立つと5月に登った阿蘇高岳が霞の上に幽かに顔をのぞかせている。

「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_18362369.jpg
傍らのツクシシャクナゲは強い陽射しに萎れているが色付いた花芽も付いている。そして、アセビは実のようにたわわに赤い花を咲かせている。












「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_18461416.jpg












 分岐点まで取って返し広い山頂大地の縁に来ると、眼下に展望台までの道筋がくっきりと見える。


「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_18482394.jpg




















私達の前後に人影はないが、対面の沓掛山の道には団体さんなのか登山者が数珠つなぎになっている。


「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_18494463.jpg 下りにさしかかる所の岩にSDが目を留め、「何か動物を思わせるね」と話しかけて来る。
確かに。NZで見つかった数年に渡り着膨れした羊か、セントバーナード犬のように見える。
 標高差にして150超あるのかも知れない下りは、リンドウが点々として花に夢中になると滑り易く要注意である。

「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_1851463.jpg













展望台で冷えた水と甘いお菓子といきたいが、水はぬるく甘いお菓子も持ってきていない。
 峠へ下りていくと、ミヤマキリシマだけのバスツアー客もいるのか駐車場の賑わいは凄い。
私達は道路手前から長者原へと森林浴風の遊歩道を50分程度かけ下って行く。


「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_1853974.jpg 途中、国道に出た所で朴の木に出会う。
花を見て名前はすっと出てこなかったが、昨年の春に“そよかぜ”さん方に同行した脊振山系の車谷近辺で見ていた。
SDが「良い香りね!」と言ってくるが、鼻骨骨折以来鼻の利かない私には仄かにしか匂ってこない。

「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_18535780.jpg














駐車場下りていくと、今年初めてのヤマボウシの木が真っ白い花を付けていた。

「泉水山から黒岩山へ」(3)_f0201348_18543317.jpg









 ベンチで帰る準備をしていると、出発時に出会ったご夫婦が前をよぎる。
私は分からなかったが、SDは直ぐに朝の人達と認め女性同士で会話が始まる。
彼らは田植後の休暇で愛犬を連れてのんびりと過ごしているとのことであった。

 今日は思わぬ景勝とミヤマキリシマに満足した5時間の周回登山であった。
# by 1944tourist2004jp | 2011-06-10 18:13 | 山登り

「泉水山から黒岩山へ」(2)

「泉水山から黒岩山へ」(2)_f0201348_1433872.jpg 緩い登りながら湿った黒土は滑りやすい。階段状に整備されているが、途中からは低木に助けを借りながら登って行く。

「泉水山から黒岩山へ」(2)_f0201348_14594035.jpg

山の本の通りアセビのトンネルを抜けると、下泉水山への道標がある。
ほんの10mほど右に歩を進めると岩峰に出る。

「泉水山から黒岩山へ」(2)_f0201348_14475784.jpg 360度の大パノラマが広がる。
低山ながらその景観の素晴らしさは九重山群のどの山にも負けていない。

 南に九重山群。




「泉水山から黒岩山へ」(2)_f0201348_14484837.jpg 西に目を転じると濃緑と萌黄色の織りなす絵のような尾根の向こうに上泉水山、

「泉水山から黒岩山へ」(2)_f0201348_14541888.jpg 北に独立峰の涌蓋山、東に由布岳が山並みの上に屹立している。
大袈裟だが二人して僥倖の喜びに浸る一時であった。


「泉水山から黒岩山へ」(2)_f0201348_1455122.jpg


「泉水山から黒岩山へ」(2)_f0201348_14572078.jpg 再びアセビのトンネルに戻り暫く歩くと、満開のミヤマキリシマが点々と現れ、南西に先日周回した山々が手に取るように広がっている。


「泉水山から黒岩山へ」(2)_f0201348_151553.jpg 直ぐに上泉水山への急坂が待っている。
今日2組目の出会いは急坂の登りと下りで、お互いに「すごい急坂ですね、気を付けて!」。

「泉水山から黒岩山へ」(2)_f0201348_1523833.jpg































 斜度はすごいが、段が設えてあり登り易く距離もない。


「泉水山から黒岩山へ」(2)_f0201348_1572583.jpg 登りきると南への展望が開けたミヤマキリシマの中でご夫婦が食事している。


 南斜面のミヤマキリシマは最高の見頃となっている。
枯れた笹の葉の上に顔を出す花、庭師の意図を感じさせるような岩にへばり付いた花、山塊を背景とした花、眺望もさることながら思わぬミヤマキリシマの満開に弁当も美味しい。

 山頂で楽しんでいる人達は大半牧ノ戸方面からであるがピストンなんだろうか。
私達は周回コースで縦走後の遊歩道の登りはしんどいと思い、牧ノ戸から長者原への下りを選んだが、牧ノ戸方面からの登山者は3.5kmの遊歩道の登りは大変だろうと人ごとながら心配する。



「泉水山から黒岩山へ」(2)_f0201348_1584645.jpg
# by 1944tourist2004jp | 2011-06-10 14:32 | 山登り

「泉水山から黒岩山へ」(1)

「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_110457.jpg ”すがもり越”から未踏になっている泉水山と黒岩山の山並みに、「ミヤマキリシマの満開を前に是非登りに来ますよ!」と語りかけた6月6日。
 風呂のカビ取りに汗を流し、半日だが孫達との付き合いもできた。
畑の管理はニガウリとナタマメのネット張りをしなければならないが、菜園仲間の6~8割方の希望収穫に違わぬように一応こなしている。
そして、今日は雨のはざまに登山日和、この機会を逃すわけにはいかないとSDを誘う。




                                         (6月6日すがもり越から)



「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_10504542.jpg ブログ更新中、筋肉疲労に先月末に漬けた“ラッキョウ”を肴に相変わらずの晩酌が加速する。

「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_10514582.jpg

「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_1183730.jpg 完全ではないが塩加減と甘酢が舌に程良い刺激を与え、10日目の未熟なラッキョウが疲れを癒していく。
「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_119621.jpg


「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_1111227.jpg 現役時代は添えられたラッキョウを何の味わいも無く食べていたが、今では水洗いや生ラッキョウの薄皮剥き等を手伝っているので、知らず知らずのうちにその味を噛みしめるようになった。
今年も息子や孫達のために8kg漬けたが、恐らく1年ともたないだろう。

「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_11123100.jpg














 一方、ブログは捗らずいつの間にか午前様。振れば音がしそうに空虚な脳は気持ちよくお休みになる。


「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_11151278.jpg




 今日も少し”ぐうたら登山”で、長者原10時過ぎ到着。
山並みハイウェーを挟んだ広い駐車場は、平日としては想像以上の人の賑わいである。
色んな車種、色んな県ナンバー、ミヤマキリシマの九重山群は相変わらずの人気である。
 コスモス荘に近い駐車場に入って行くと、如何にも長期滞在らしき雰囲気の若者がのんびりと過ごしている。
泉水山への指導標までに若干戸惑う中で、室内犬を連れた同年代風のご夫婦に出会う。
お二人とは不思議なことに5時間後の3時半に遊歩道を下って来た時に偶然の再会が待っていた。

「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_1121619.jpg

「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_11192754.jpg

 丸太であつらえた階段を登って行くと源流に跨る橋を渡り、自然林から牧草地へと出て境界に沿って登って行く。
「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_11221954.jpgそして、今日初めての花を見つける。
SDから即座に名前が出てくるが私は初対面、結構色んな種類の山野草が点在する登山道である。

「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_1125526.jpg
「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_12411261.jpg
一代前の九州百名山には西に急坂を上って南進するように道が表示されているが、露岩の際から牧草地に沿って右へ北登する。(阿蘇・九重の5万分の1地図には正確に表示されている)

「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_11272542.jpg












「泉水山から黒岩山へ」(1)_f0201348_112991.jpg














 南東には三俣山と山頂周辺が薄らと赤く染まった平治岳、そして北東には飯田高原の遥か彼方に、にび色に霞む由布岳が佇んでいる。
素晴らしい展望である。登山道直下の草地では雄大な景色を一望しながら、女性3人の早い昼食会が始まっている。
 防火草地に沿って再び西登して行くと涌蓋山が真正面に聳えて来る。
SDに一目山からの涌蓋山山行について紹介しながら草地の際を登って行く。
間もなくすると泉水山への入口を案内する指導標に出会い、陽の閉ざされた自然林へと入って行く。
# by 1944tourist2004jp | 2011-06-10 10:48 | 山登り

「今年のミヤマキリシマは」(2)

「今年のミヤマキリシマは」(2)_f0201348_15213567.jpg 天狗ケ城との鞍部に付くと、久住山頂へ向かう時に挨拶したご夫婦がのんびりと登っている。
「神奈川から真っ赤に染まる山を見に来ましたが・・・」と残念そうである。
中岳山頂から見る平治岳の山肌は薄らと彩られているが昨年とは雲泥の差がある。

「今年のミヤマキリシマは」(2)_f0201348_14253721.jpg
















(昨年の6月16日の平治岳)

今年も中旬に満開を迎えるのかも知れない。

南への展望に4月の思い出を重ね、岩場を下山して行く。
下山時に先のお二人に「山登り楽しんで下さい」と挨拶すると、「今晩は法華院温泉でゆっくりして、明日大船山に挑戦して帰ります」とお二人とも元気そうである。
「お気をつけて」と交互に交わし上下へ別れる。


「今年のミヤマキリシマは」(2)_f0201348_1429431.jpg 天狗ケ城は一昨年SDと登った時の羽蟻の大軍を思い出す。
羽蟻の孵化は6月上旬では寒すぎるのか全く居ない。
そして、今年の雪の九重で風来坊さん達を鞍部から見送って下山した直近の思い出もある。

「今年のミヤマキリシマは」(2)_f0201348_14372165.jpg中岳を見ると先ほどのお二人さんが余裕ある時間を山頂で堪能している。
年甲斐もなくお互い手を振って暗黙の会話である。

「今年のミヤマキリシマは」(2)_f0201348_14401094.jpg 御池まで下りて来ると、熊本からの老人会風のパーティーが登って来る。
放置されたザックに気付かなかったのか、身軽な私を訝しそうにすれ違う。
はたまた、鼻髭の老境がサングラスをかけ、シャツの前をはだけただらしない格好に違和感を覚えたのかも知らない。
久住山からの団体さんと合流するような形で久住分かれに下りて来る。
無人の北千里へと急坂を用心深く下って行く。
長い岩やゴロ石の下りには、真新しい黄色のペンキ痕がこれでもかと言うほどに道案内してくれる。
「今年のミヤマキリシマは」(2)_f0201348_14403542.jpg

「今年のミヤマキリシマは」(2)_f0201348_1443873.jpg 雪景色とは全く違う風景である。
硫黄山を左手にしながら北千里浜に呼吸を整えながら、諏蛾守越へと最後の登りに挑む。

「今年のミヤマキリシマは」(2)_f0201348_14443477.jpg 流石に三俣山へのエネルギーは残っていない。
石室で最後の水分を補給し、ポケット入れていた飴玉を頬張る。
三俣山の山肌のガレバと緑の境に赤い線を描いたようにミヤマキリシマが咲いている。
低木なだけに高木の無いガレバしか成長の機会が無いのかも知れないし、意外とガレバが最適な環境なのかも知れない。等々いい加減な推測をしながら落石防止壁に沿って下っていく。

「今年のミヤマキリシマは」(2)_f0201348_14522947.jpg 真正面には未踏の黒岩山から下泉水への山並みが迫ってくる。ふと傍らをみると紫色の鮮やかなオダマキが場違いのように咲いている。嬉しい発見である。
「今年のミヤマキリシマは」(2)_f0201348_14534827.jpg

「今年のミヤマキリシマは」(2)_f0201348_145423100.jpg

「今年のミヤマキリシマは」(2)_f0201348_14553528.jpg 大曲の駐車場には3時半到着。
朝は最後の1台で入った私だったが、今は残りは2台となっている。
今日は丁度4時間半の周回登山であった。
 そして、如何にもしんどい舗装道路の登り。
今日も帰りは瀬の本高原で久住の水を汲んで帰途に就く。
 
# by 1944tourist2004jp | 2011-06-07 14:17 | 山登り

「今年のミヤマキリシマは」(1)

「今年のミヤマキリシマは」(1)_f0201348_1203672.jpg 「明日天気が良かったら山登りしようかな」と、山も時間も決めずに床に入る。

「今年のミヤマキリシマは」(1)_f0201348_11581259.jpg

そして、昨日の朝「8時過ぎているよ・・・、良い天気みたいよ!」と起こされる。

「今年のミヤマキリシマは」(1)_f0201348_11492392.jpg
慌ただしい身支度に、「お握り2個頼む!」とSDをせっつく。
時間は豊富に金は乏しい年金生活者としては、通勤割引の時間帯に高速に乗りたい。
朝食のパンも積み込んで30分ほどで準備OK。

「今年のミヤマキリシマは」(1)_f0201348_11511156.jpg






























「今年のミヤマキリシマは」(1)_f0201348_11551831.jpg



「ミヤマキリシマの開花状況を確かめておきたい」との気持ちで九重へと向かう。
パンを頬張りながら無意識に顎を撫でると髭が無い。30年以上生やし続けている鼻と顎髭。
私のクールビズの積りで顎だけをさっぱりと剃り落しスーパーマリオに変身。

「今年のミヤマキリシマは」(1)_f0201348_1147076.jpg
 どこに登るか、先ずは星生山から後は足の赴くまま11時に入山して行く。
路傍に点々と咲いているが、高度をますにつれ蕾は固く色づきも悪い。下は5分咲き、上はまだまだという感じである。


 星生山の山頂に上がってくると先客さんで賑わっている。
西斜面は3分程度だし、対面の扇ガ鼻の山肌に色づきの気配は殆ど感じられない。
話す相手も見つからず四方を写真に収め、岩稜を星生崎へと歩き出す。
嬉々とした声に見下ろすと、西千里浜の登山道には三々五々と登山客が行き来している。

「今年のミヤマキリシマは」(1)_f0201348_125636.jpg 岩峰の突先から仰ぎ見る“久住山”やはりは山群の盟峰である。
雄大な山容はここからが最高である。今日も山頂は賑わっているようだ。






 久住分かれから山頂への広いゴロ石の登りに、下りて来る団体さんに道を譲るように端の方を登って行く。
中岳との分岐点にザックを置き、水とカメラをぶら下げて一気に登って行く。
15分程度である。

「今年のミヤマキリシマは」(1)_f0201348_1264918.jpg
 20数人の山頂に長居する場所もなく、四方に展望を楽しんで直ぐに下る。


「今年のミヤマキリシマは」(1)_f0201348_1293687.jpg 思いつき登山はこれで十分であるが、4月に本山登山道から登った鳴子山や白口岳の山稜を確かめたいと中岳へと向かう。
 空池を見下ろす久住分かれへの分岐点にザックを置き、御池の縁から中岳へと休むこともなく淡々と登って行く。


「今年のミヤマキリシマは」(1)_f0201348_12133131.jpg 悪い癖であるが、一人だと水分補給の間も惜しむように急ぎ足になる。
昼を食べる場所と時間も逃し、帰りの車の中でお握りを食べる始末である。
# by 1944tourist2004jp | 2011-06-07 11:31 | 山登り