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「端然とした由布岳」(3)

 眺望の開ける斜面でお会いした方は、岡山県から車で来られた同年齢と思しき男性である。九重山群など北部九州の山々をこよなく愛し、車で度々訪れているとのことであった。

f0201348_20193445.jpg5分ほど立話した後、霞んだ九重山群や温泉郷を取り囲む連山を眺望しながらペースを崩さず淡々と足を運ぶ。日陰となった斜面のルートには数日前からの残雪は、ザラメ風に心地よい響きとザクッとした触感が足裏から伝わり伝わって来る。
休むほどの疲れを感じないので、ゴロ石の急登も余り気にならず“マタエ”へと一気に上り詰める。人影は全く無し。





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 今日は未踏の飯盛ヶ城に寄るため御鉢巡りは遠慮して、マタエにザックをデポして西峰と東峰へ登ることにする。

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f0201348_21124571.jpg 西峰への岩壁の鎖に取り付く。それなりに険しいが距離が短いので苦労はない。山頂に来ると若い男性2人と女性1人のグループが丁度昼食のラーメンを準備中であった。会話が弾んでいるので一通り挨拶をして直ぐに取って返す。
正面登山口の駐車場で、偶然に私が彼等のランドクルーザーの横に留めていたので下山後再会することになった。


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 山頂から下りの岩壁に入ろうとしていると、初老の女性が上がってくる。全く息の上がっていない彼女は降雪のあった日にも来たとのことであった。”由愛会”のOHさんと同じ日出町の方で、共通話題も多く岩壁の隘路にも拘らず、人が来ないことを幸いに15分ほど立ち話することになった。
 東峰で男性の2パーティーに入る余地も無く2・3回シャッターをきっていると、標識の下でご夫婦が仲良く食事中であった。登りで”I31”と話し掛けたお二人であった。「写真1枚宜しいですか」との声に、私と気づいてくれて、「どうぞ」との快い返事が返ってきた。

f0201348_2034536.jpg 一人旅の下りに特筆することも無い。
中村仁一先生の本を読んで、白寿の翌日”秋分の日”になくなったお袋に、私達のエゴにより大変申し訳ないことをしたとを改めて悔やんでいる。
最終的には私に委ねられた人工呼吸器のカテーテル再挿入。緊急入院する2・3週間前までは、物忘れは酷くなっていたものの認知症の症状はなく孫達と普段通りに話しをしていたお袋。
急に罹りつけの病院から救急病院に入って、私達が行くと医療器具に埋没し人工呼吸器で話すこともできない状態になっていた。しかし、話しかけると色々と顔の表情を変え肯いたりしていたが、人工呼吸器を一度外したものの日を追うごとに悪くなり、人工呼吸器再装着の決断を迫られることになった。
「白寿の誕生日まではなんとか・・・」と私達の思いであったが、今思うと明らかに「もうこの辺で!」と、懇願している目であった。
苦しい思いを2度もさせず、老衰と考え機械に頼らず自然死を迎えさせてあげればと返す返すも残念である。


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 合野越から往復半時間超で全体が牧野の飯盛ヶ城山頂に立って、登山口へと下りて行く。
車に近付くと、隣のランドクルーザーの横で西峰でお会いした3人組が帰りの準備をしていた。北九州市からの彼等と四方山話に花を咲かせること30分。彼らは温泉に入るために別府へ私は同じく九重町へ。
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by 1944tourist2004jp | 2013-02-04 20:44 | 山登り | Comments(2)

「端然とした由布岳」(2)

 9時15分に登山口に就く。
昨年3月の野焼き直後に来て以来の由布岳。大陸からの迷惑な煙霧に蒼天はないが、秀麗な山裾に広がる冬枯れの牧草地に一呼吸をおいて、先を歩く初老の男性の背中を50mほど先に見ながらゆっくりとした歩調で追う。いつしか追い着き朝倉市からの彼と一時を過ごしながら喬木林へと入って行く。お互いに自分のペースに寄り添い自然を楽しみながらの山登りである。
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f0201348_21195831.jpg 補修されたルートや案内標識に日出町の男性を思い出しながら額の汗を拭い、冬山にしては珍しく喉の渇きを覚える。今日は暑い、ウェアーを1枚脱ぎ下着を腕まくりする。
2番目の出会いはご夫婦である。ゆっくりとしたペースに一巡り年長を感じながら、挨拶のあと「今日は愛妻の日らしいでよ!」とラジオ番組の受け売りでご主人に声を掛けると、「1月31日、なるほど!」と笑みを浮かべながら優しく後ろの奥さんに目配せをする。

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ジグザグの灌木帯に移るまで眺望は無く少し退屈な登りが続く。

f0201348_21162512.jpg 孫が生まれて留守番している間、暇に任せて数冊の本を読んだ。ノーベル医学生理賞を受賞された山中先生のiPS細胞に関する本を2冊、中村仁一先生の“大往生したけりゃ医療とかかわるな”(自然死のすすめ)と、“どうせ死ぬなら「がん」がいい”、そして日本に帰化した呉善花教授の“虚言と虚飾の韓国”と、三橋貴明のさんの“いよいよ、韓国経済は崩壊する”の6冊。
 iPS細胞の発明は医学分野における、その裾野の広さに於いてブレークスルー的評価を受けている。しかし、遺伝子導入ウィルスによる癌化の問題や臓器の立体形成など、難題も多く一朝一夕にクリアーされることはないかも知れない。
しかし、山中教授も驚くほど世界の技術進歩は級数的で、今年中には細胞シートの治験も行われようとしている。予想より早く難病の解明や創薬、将来的には拒否反応の無い臓器移植が行われるのかも知れない。



 ぽかぽか陽気に釣られて、午後から5日振りの菜園へ。春ジャガの畝造りと冬野菜の収穫に1時間半ほど気持ち良い汗を流す。f0201348_21283339.jpg
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by 1944tourist2004jp | 2013-02-03 21:35 | 山登り | Comments(0)

「端然とした由布岳」(1)

f0201348_1437275.jpg 朝のラジオ番組に、今日が “愛妻の日(I31)”であることを教えられながら、大分自動車道をのんびりと走る。

 f0201348_14381934.jpg残り2ヶ月ほど流れに逆らわず遵法精神でハンドル握れば、3年振りにゴールド免許を取り戻すことができる。
恥ずかしい話であるが、九州縦貫道の霧島近辺で38km超(制限速度80km)、そして焼き牡蠣を求めて糸島の鄙地を走っている時に前の車を追い越した瞬間12kmオーバー(制限速度40km)で捕捉され通常免許へと戻って3年間。

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G免許だから軽微な違反を見逃がしてくれるものではないが、得すると言えば2年間と任意保険の保険料が若干安い程度ではなかろうか。
年金生活で罰金の痛手から免れるためにも、そして75歳でG免許のまま返上するためにも、次の5年間は老境の身分に逆らわず大人しく運転したいものである。

 
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湯布院に近付くにつれ屹然とした双耳峰が眼前に迫って来るが、今朝は朝靄に墨絵のように浮かびいつもの迫力に乏しい。ICを下り“やまなみハイウェイ”の九十九折を登って行き、正面登山口にほど近い“狭霧台”の駐車場に入る。
 きつね色に朝日を輝り返す双耳峰を背景に、乳白色の煙霧に沈む温泉郷を見下ろす佳景は1時間半ほどの高速運転を全て消化してくれる。
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by 1944tourist2004jp | 2013-02-02 14:44 | 山登り | Comments(2)