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「秋分」

f0201348_1812574.jpg 雨雲の垂れこめた空に生命感の消えた田園が広がり、畔には取り残されたように雑草が繁茂している。

f0201348_185073.jpg 慌ただしい1週間を過ごして、糠雨の中に細い畔を通り畑へ下りて行くと、次代に種を振り撒いたキバナコスモスに寄り添うように彼岸花とムラサキシキブが咲いている。

f0201348_1872290.jpg夏野菜が細々と実る殺風景な中に目を引いて離さない橙と赤と紫、このような時期にはとりわけ和みの彩りである。

 ゴーヤのネットは強風になぎ倒され横のオクラに助けられるよう踏ん張っている。2年前に河川敷から刈って来たメスダケは吹き曝しに耐えきれず2度目の倒壊である。簡易修理してナス、オクラ、ゴーヤ、ピーマン、ナタマメと袋一杯の収穫。
また、黒豆を正月用に播いていたが、期待に違わず実を付けている。


f0201348_18103099.jpg 人一倍大きな声で話し、笑い、そしてこよなく花を愛して、95歳で苦しむことなく、また痛みを伴うこともなく天寿を全うし、人が羨むように眠りに就いた丈母であった。

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 73歳でバイクを趣味としているSDの従兄を見送った後、観光客でごった返している浅草寺にお参りして帰途に就く。
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by 1944tourist2004jp | 2011-09-30 18:00 | その他 | Comments(4)

「犇」

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 隔日毎にウォーキングと畑仕事の白露、虫が鳴き朝夕の心地良い涼風に夏バテを癒したい季節である。
風水害による被害の無かった今年の水田は見事なまでに黄金色の穂波を広げ渺々として残照に揺れている。
このような景色を見ると、正に瑞穂の国であることを実感する。

f0201348_18384063.jpg 用水路は渾々として、水田は今週が刈り入れの真っ盛りと、トラクターのエンジンが何処そこで唸りをあげている。
 今年の夏野菜を反省すると、草刈りが捗らず雑草はカタツムリの天国となり、キューリは彼らの思うが儘に餌食となって私達の口には程々の量しか入らなかった。
瓜の様に瑞々しい地這えキューリに至っては太く成りきらず収穫は皆無に近かった。
また、ズッキーニやミニトマトも管理不足が祟り例年ほど食卓に上がってくることは無かった。
しかし、カラーピーマン他は水遣りが功を奏して平年以上の出来栄えで、ナスは4本しか定植しなかったが今でも日々3・4本の収穫があり、「焼きナス」として酒の肴に上がってくる。
また、ゴーヤやオクラも食べ切れずに調理冷凍保存し隙間が無いほどパックされている。
季節毎の旬の野菜がテーブルに上がって来ることに手を合わせたい気持である。




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そんな中、娘が「私は1泊2日の出張があるし、旦那も休みが取れないので子供達を預かってくれない」と嬉しいメイルが入る。
当日の夕方、4歳と2歳の孫を保育園に迎えに行き、2回目のお泊りで帰ってくる。

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そして、オムツ等のバッグの中に2冊の文庫本が忍んでいる。
伝言は無くとも、「暇つぶしに読んではどうですか」との私への心遣いであろう。
昨年の「沈まぬ太陽」に続いて、山崎豊子の「不毛地帯」である。
嵌り込むと全ての事が疎ましくブログは勿論、TVも二の次で、冬野菜の準備にも足が遠のく始末である。
 1・2巻と片付け喉から手が出るほどの3巻目に入りたいが、高速を1時間かけて3・4・5巻を借りに行くのも億劫なので町の図書館へと出かける。
老眼は必要ないが、余りの字の小ささに読書用ルーペを取り出すが余りのまどろっこしさに嫌気がさす。
苦労しながら読み続けるうちに思ったより早く目の方が順応し、ルーペ無しで違和感無くページが進んで行く。
しかし、老人の目は水晶体につながる毛様帯が劣化して機敏な伸縮が出来ず、TV等へと対象物が変わるとピントを合わせるのに時間が必要である。
 不毛地帯を読んでいて余りにも表現豊かな漢字に嘻々としてSDに紹介した「犇」を表題とした。馬でもだめ、豚でもだめ、まして鳥ではつまらない。如何にも鈍重な牛がぴったりと当て嵌まるから不思議である。
「蠢く」もそうであるが、漢字を考案した人の感性は超天才的である。





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 序でに感覚器官の劣化であるが、3日前ホームベーカリーからパンを取りだす時、釜に熱さを感じながら「大したこと無いな!」と思っていると、数分後には局所が真っ赤に腫れあがり痛みが走る。
汗顔の思いでSDに見せると、すぐにアロエを取って来てくれたが、時遅し2cm円の局所は赤茶けて今もって火ぶくれである。
老化の順番として昔から歯、目、?と言うが、皮膚感覚の劣化をも実感する高齢者になってしまっている。
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by 1944tourist2004jp | 2011-09-20 18:46 | その他 | Comments(2)

「由布岳東登山口から」(3)

f0201348_1647266.jpg(午後3時頃に狭霧台から望んだ由布岳)


 もう一登りと眼前の山頂へと分け入って行く。
足場の悪い岩場を10分程度よじ登って行くと、単独登山らしき男性が二人気儘に山頂を堪能している。
f0201348_16573581.jpg 11時25分は予定通りである。
また、岩峰を西に少し下った広場では同年代の男女が10数人で食後の団欒をしている。
 私達も西峰の壁を見ながら昼を取っていると、一瞬ながら正面登山口が開け、緑の牧野と車が行きかう”やまなみハイウェー”を下界にする。


f0201348_17293977.jpg 強風と寒さが厳しい環境を選んでいる理由は分からないが、どこの山に行っても山頂付近でよく目にするのが蝶。
岩峰のここにもアザミの蜜を吸っている片羽が少しもげた蝶と、死んだように岩にへばりついた蛾がいるから不思議である。
テーブルマウンテンを考えると、生物の適応能力は人間の想像を遥かに凌駕しているのかも知れない。
温暖化に科学で対処するより、己がしでかした自然破壊の解決は摂理に従うべきなのかも知れない。
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 岩の影からニュッと運動靴に作業服の男性が現れる。
地元湯布院の方で2年振りのお鉢巡りをしてきたとのことであった。

f0201348_1738524.jpg「きつい岩場があるので女性は遠慮した方が良いでしょう」と仰る。
SDから「本当は行きたいんでしょう?」と投げかけられるが、昨年の山行でマタエから西峰へ連れて行ったので、「今日はここまでにしよう」と内心思いながら生返事をする。
 もう一人の男性が加わり、3人で由布岳や倉木山について暫し情報交換している中、末娘にメイルを書いていたSDの携帯が突然鳴りだす。
以心伝心とはよく言ったもので末娘からの電話だったらしい。

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f0201348_174218100.jpg 下山準備をしていると、10数人のパーティーはお鉢巡りと下山コースに分かれ私達の前を通り過ぎて行く。
分岐点まで来て「お鉢巡りコースを少し行ってみようか?」と言うと、「少しならね!」と返ってくる。分岐点にザックを置いて西峰へのコースに踏み込んで行く。
直ぐにクラックを跨ぐ難所に「わー!」と火口に響き渡るSDの声。
入り組んだ火口縁の岩場を上り下りしながら1/3ほど来て、余り乗り気でないSDを連れてもしもの事があればと、「今日はここまでにしようか?」と後ろを振り向けば、「良かった、ここまでで十分!」と即答してくる。

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 通常なら登りは遠く、そして下りは短く感じるが、今日に限って下りの時間がやけ長い。
実際には予定通りペースであるが、新しい発見が無いせいかもしれない。
f0201348_17473378.jpg 紺色の車は雨跡らしき斑点と枯葉が降り、長らく放置されていたかのような状態で私達を待っていた。
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f0201348_18131325.jpg 盛夏に戻ったようなけたたましい蝉の鳴き声と蒸し暑さに辟易としたが、青葉の落葉とドングリに秋が近いことを感じさせる由布岳でもあった。

f0201348_18184011.jpg 東登山口は正面コースに比べ美林と起伏に富んで岩場もあり、人それぞれかも知れないが季節毎に訪れたいコースであった。
来春は花の倉木山と新緑の東登山口を予定したい。 
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by 1944tourist2004jp | 2011-09-14 17:57 | 山登り | Comments(3)

「由布岳東登山口から」(2)

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 自然林が疎から密へと移るにつれ登りは峻にして岩場も出てくる。思いもかけず上の方から賑やかな声が山あいに聞こえて来る。

f0201348_13505440.jpg 「路肩には私達の車しか留っていなかった筈だが」と思いきや、中年の男性が老若の女性を5人ほど率いた下りのパーティーである。
福岡市を何と3時過ぎに出て、日の出の6時半に正面登山口から挑んで日向越えの周回コースとのことであった。

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 一ときの会話を楽しんで山頂へと向かっていく。

f0201348_13542957.jpg ロープやアルミ梯子、そして頑丈な鎖に助けられながら、蹶然と張り出した岩場を縫うように登って行く。
岩場の登り下りは腕力の弱いSDに足場を教えるため、下に控えて居るが、いざ自分が岩場に取りつく時は脚の長さを腕力でカバーしなければならないから情けない。

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 私は視野が狭いのか見ているようで見ていないのか、花や奇異な事象を見つけることは少ない。
しかし、SDはゆったりとした歩幅とスピードで不思議と色んな所に目が届く。

f0201348_1357510.jpg シーボルトミミズ、四国や九州の山深い湿った場所に生息しているらしい。
昨秋、尾平からの祖母山を周回した折りに、初めて見て驚いたミミズである。滑るように急坂を下りて行くが、陽光の加減で七色に光る30cmほどの体は奇妙なほどに美しい。

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 岩溝をすり抜け蹶然と張り出した岩に立つと展望が広がる。

f0201348_14319100.jpg山頂は蒼天に輪郭を現したり隠したりと、雲の流れは瞬時にして山容を変化させる。
一方、山麓への眺望は厚い雲に閉ざされて全くない。
時々現れる小さな花に足を止めながら山頂を目指す。

f0201348_145228.jpg 8月末以来の山登りであるが、ウォーキングを適宜していたので足に負担を感じることは無い。
急峻な登りの後、山腹に沿って灌木と萱に足元を消された隘路を登って行くとお鉢巡りの火口縁に出る。
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by 1944tourist2004jp | 2011-09-14 14:06 | 山登り | Comments(0)

「由布岳東登山口から」(1)

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                                                     (昨晩、中秋の名月を低温度で撮り、再設定し忘れ日出側から撮った写真)


 8月上旬来、“そよかぜ”さんの花の倉木山と“Dojyou38”さんの由布岳東登山口コースをずっと温めて来たが、昨晩の月を見ながら双耳峰に浮かぶ満月が脳裏から離れず、花は来春に延ばし美峰の由布岳へと夏明けの山を選ぶ。
SDの「紅葉の季節でも・・・」との余韻を無視して計画を立てる。

f0201348_10453297.jpg 前もって“Dojyou38”に登山口の路肩駐車を確かめていたのでナビ任せで一直線に登山口へ高速に乗る。
 いつの頃からか忘れたが、二つのことを同時処理する能力が劣化して、笑うに笑えない失敗で子供達から顰蹙をかうことしばしばの昨今である。
昨朝も二人して紺碧の空に突き出した美峰に見とれ、8時半登山口の予定が9時過ぎとなり、車の中で苦笑いである。

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f0201348_10492799.jpg 東口登山口の対面には鶴見岳西登山口があり、朝靄に煙る山頂に霧氷で震え上がった思い出を重ねながら、登山準備に取り掛かる。
登山届を記して9時過ぎに雑木林へと入って行く。

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f0201348_10533414.jpg  陽射しの弱い登山日和だが、湿度が高いせいか直ぐに上半身は汗だくとなって来る。
 道筋はしっかりとして、落葉に歩き易く勾配もハイキング気分である。
自然林から植樹林と変わるが、ほど良く間伐され見通しも心地良い。

f0201348_10544642.jpg程なくしてまた自然林へと移って行くが、その疎林の緑は木漏れ日に一段と冴え、深呼吸を促す程に美林の様相である。

f0201348_10555839.jpg 地図の通り40分程度で日向越え到着である。
昨晩凍結していた冷水を含み、3分程度の休憩で山肌にジグザグとした踏み跡に従い登って行くが、徐々に急坂となって来る。
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by 1944tourist2004jp | 2011-09-14 10:59 | 山登り | Comments(0)

「月見」

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 決して無為に過しているわけではないが、日常に筆を留めるような出来事も無くブログを綴る気にもなれなかった。
異常な為替レートに財政と経済の疲弊が蒼茫の日本列島を覆い尽くす中、6カ月経った今も先の見えない東北大震災の復興と福島原発は如何したものだろうか。

f0201348_23284270.jpg 「私の実績は歴史が評価してくれるだろう」と、無節操に引き下がった菅元首相の後を継いだ野田総理。
国民は一縷の望みを託すように支持率65%で発足したが、国会の空転を予感させる防衛大臣の“素人発言”と経産大臣の“死の町”等の妄言。
資質の疑われるこれ等の人達を立法の府に送り込んだ民度の低さを思うと、日本の再興は日暮れて道遠しである。
石原都知事の大震災に対する発言が話題を呼んだが、被災者に対する発言とは到底思えない。
あらゆる世代で倫理観の問われている戦後の日本、私は石原さんの意見に同調したい。

f0201348_2344069.jpg しかし、嬉しい話題もある。
私の好きなラグビーの世界選手権“エリスカップ”がNZで9日から始まった。
2日目、世界ランク4位のシャンパンラグビーのフランスに善戦したが地力の差は如何ともしがたく、今は亡きジンバブエ以来の2勝目を手繰り寄せえなかったジャパン。
だが、大方のラグビーファンは試合経過に大満足したことだろう。
 そして、オリンピックアジア予選で4勝1分けの1位となった“なでしこジャパン”。
世界王者としてのプライドと、いつものことだが過度の期待を押し付ける国民の重圧に押し潰されること無く、ロンドンへの切符手にした。
自信が潜む発言に奢りを決して感じない彼女達。
 今日は中秋の名月、手作り団子と菜園の収穫物を前にして、茶箪笥の奥にひっそりとしていた徳利とお猪口を出して来る。
雲に陰る月を見ながら、久し振りの山登りに地図を開く。
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by 1944tourist2004jp | 2011-09-12 23:48 | その他 | Comments(0)