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「ツバメの子」

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 水面を隠すほどに成長した稲穂に、眩いばかりに広がる夏の空。

休耕田を利用した菜園は圃場を仕切る溝が浸水し、畝にも水気が上がって来る。

お蔭で夏野菜の水遣りに事欠くことは無い。

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 一方、名も知らぬ雑草はその恩恵を満喫するかのように伸び放題となる。特に、肥料充分の夏野菜には纏わり付くように繁茂し、害虫の隠れ家となり無農薬の葉を我が物顔に食い荒らす。おまけに葉の裏にびっしりと卵を産み付ける。

小数多品種にしているので、一枚々々の葉を裏返して駆除するがネズミ算式の害虫に追い付けるはずもない。


 本県では激甚災害の指定を受けるほどの集中豪雨もあり、草刈り機の無い畑は収穫のみで作業は全くできず、畦は流れ荒れ放題となった2週間。

 梅雨明けを機に1週間の予定で、重い腰を上げ除草に鎌を研ぐ。全国的に熱中症が多発する梅雨明けの日々、日に精々1時間半程度の作業しかできない。帰りの道は鬱熱状態でぐったりとし、上半身汗でびっしょりとなり足取りは重い。







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 そんな或る日、足を引きずるように歩いていると、数m上をチーチーと舞う数羽のツバメ達を見る。真下のブロック塀の陰を見ると左の翼を傷め飛べずばたつく1羽のツバメ。
心配そうに飛び交う親兄弟達を見ながら、このままでは生き延びることは無理だろうと手に包んで持ち帰る。

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 末娘が拾ってきたシジュウカラの雛を僅か1日しか延命できなかったことを反省して、餌は十分に気をつけながら、初日は穀粉とイリコを砕いて団子にしてやり、次の日は畑から持ち帰ったバッタ、2日目には餌を運んで来る親鳥を待つように手を近づけると大口を開けもりもりと食べ、飛ばない翼をばたつかせながら元気に歩き廻るようになった。

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しかし、さえずりの無い4日目の朝、ウサギのケージ(インコと一緒にする訳にもいかず、娘が持って来ていた)の中で冷たくなっていた。

 幼鳥の子育てはこれで1勝2敗となった。野生動物の餌付けは禁じられているが、元気になった時点で放鳥する積りで持ち帰るが中々と難しい。






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 景気浮揚の戦略の一つ、規制緩和の過程で安倍一強と野党が不毛の党利党略論争を続けている。バックには左寄りのメディア、許認可権限を持つ省庁と既得権益の獣医師会が控えている。いずれの政党も国民の方を見ているとは決して思えない。

獣医師の活躍できる分野は非常に広く、大動物や小動物の臨床分野に限らず、飼料会社、製薬会社や食品会社等の民間、行政(畜産や生活環境)、基礎医学と多岐に渡っている。

現状で問題になっている人畜共通感染症や産業動物に関係する分野の獣医師不足と、その獣医学部新設の歯車が合っていない。

私が思うに、獣医師不足ではなく該当分野の獣医師の待遇が余りにも貧弱なために採用不足となっているとしか思えない。その証拠に街中には歯科医院同様に動物病院も溢れている。




(田植え直後)
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by 1944tourist2004jp | 2017-07-25 14:27 | その他


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