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「平成27年12月中・下旬の日々と逃げたインコ」

「平成27年12月中・下旬の日々と逃げたインコ」_f0201348_14322367.jpg 我が家から目覚まし時計が消えて10数年になるだろうか、朝7時に起きる時から肌身離さず持ち合歩き、今では体の一部となりきって、特に出掛けた時など持っていないと何となく不安で落ち着きがなくなる携帯。一種の習慣性中毒かも知れない。

「平成27年12月中・下旬の日々と逃げたインコ」_f0201348_143332.jpg昨日、
 目覚めは昨晩の同窓会の酒の余韻を残し、何となく気怠さを感じる一方で、同窓の心地良い感懐も残っている。
酔いざめの冷水の代わりに、定例のバナナとコマツナに豆乳混ぜた冷やっこいジュースが心地よく全身に沁み渡り、ほっと一息を着く。
 若い頃は目一杯飲んで翌日の朝食は必ずと言ってよいほど遠慮していたが、古希を過ぎると二日酔いをするほど飲めないし、遠慮する道も少なからず弁えている。







 食後、BS放送の“追体験ドキュメント”「ラグビーW杯日本代表の南ア戦を語る」を、だらしなく炬燵に寝転んで見ていると、その感動に水を注すかのように「今日はクンシンランの鉢とプランターの整理をするよ・・・」とSDが宣ふ。「ふっ・・・」と、溜息をつきながら黙然とTVに見入っていると、「夕方から雨の予報だから午前中に片付けて、午後から野菜の収穫にも行くよ!」とダメ押しの一言。
 言われるがまま、午前中は予定通りの作業をし、3時過ぎに冬野菜の収穫へと出かける。
半月ほど前には田園のほぼ中央に、見事に咲いていた皇帝ダリアの姿はない。
 田園は落穂から新芽が吹き出し、一面田植え後のように緑が広がり、その中にぽつんと置き去りにされたかのように、艶やかに咲いていた皇帝ダリア。
冷気が漂う初冬の澄み渡った青空に見事にマッチし、遠景の山並みに映える華やかさ、花言葉“乙女の真心”に魅かれるように蜜を求めて戯れる蝶、傍にいる髭の私を完全に無視している。

「平成27年12月中・下旬の日々と逃げたインコ」_f0201348_14333895.jpg 学生時代と同じように酒席の最後は16人が肩を組んで恒例の、・・・吾等が三年を契る絢爛のその饗宴は、げに過ぎ易し。然れども見ずや穹北に瞬く星斗永久に曇りなく、雲とまがふ万朶の桜花久遠に萎えざるを。寮友よ徒らに明日の運命を歎かんよりは楡林に篝火を焚きて、去りては再び帰らざる若き日の感激を謳歌はん。明治45年度寮歌、横山芳介君作歌・赤木顕次君作曲、都ぞ弥生、アイン、ツバイ、ドライ・・・「都ぞ弥生の雲紫に 花の香漂ふ宴の筵・・・」。
ブロッコリーやワサビ菜を収穫をしながら、我を忘れた軽い二日酔は無意識の中に口遊んでしまう。
 広げるように青葉を伸ばしたダイコン、淡い緑にふくよかな葉肉のシュンギク、根元をピンクに染め幅広く育ったホーレンソウetc.無農薬、無肥料、無除草剤で栽培していた方から教えて頂いた畦造りの結晶である。
 2・3週間のタイムラグを置いてコマツナや大根を、白マルチでトンネル風簡易温室にしている栽培しているが、ここ数日の寒さにへこたれず順調に育っている。
スナップエンドウとキヌサヤも新芽がネットを押し上げ、タマネギの鱗茎も枯れたところが無く青々としている。

 ジュース、サラダ、なべ物、はたまた漬物類と、旬の豊かな食卓である。もう暫くの間は2人だけの生活に野菜を不自由することは無いだろう。
また、今年は決して粒ぞろいではなったが、ガレージの上に這っているキウイも、自由に自家熟成させることが出来るので、カスピ海ヨーグルトにトッピングして、日々欠かさぬアルコールを解毒しながら贅沢にも無病息災を願う日々である・・・。


「平成27年12月中・下旬の日々と逃げたインコ」_f0201348_1941830.jpg どうしても書き添えておかなければならない12月21日の我が家の奇蹟。
 いつもなら朝一番で娘から預かっているコザクラインコのケージを掃除するが、雨模様に水を替え餌をやって午後でもいいだろうと放置する。
そして、腰を上げたのは薄暮の5時半である。
 手慣れた手順で敷料を替え、出入り口を開け中を濡れティッシュで掃除するが、慣れから生じる油断は怖い。一瞬のすきに飛び出し物干し竿にとまる。
以前、お客さん来訪時に肩に乗っているのを失念し、玄関の外まで出たが飛び去らなかった経験もあり、安易な対応で手を差し出す。案の定直ぐに乗り移って来たので、そのまま家に入ろうとした刹那、飛び去ってしまったのである。
ウォーキングに出ていたSDに直ぐメイルを入れると、厳しい面立ちで飛んで帰って来る。SDは”きみちゃん”と声を掛け、私はいつもの地声で呼びかけながら近隣を探すこと10分。
 諦めの速い私が家に帰ると、直ぐに「鳴き声がするよと!」とSDから電話が入り、5・60m離れた家の屋根を指差す。夕暮れにシルエットしか浮かんでいなかったが、呼びかけると「チーチー」と、確かに聞き覚えのある声が返って来る。
慌てて家に戻りケージと餌の容器を持って来ると、SDの呼びかけに対面の家のひさしまで下りて来ていた。二人で声を掛けながら、聞き慣れているだろう餌容器を振る音を出し、懐中電灯でケージとSDを交互に照らしていると、不安な中で私達を認識してくれたのか直ぐに軒先からSDの頭上に舞い降りてきてくれた。
 天使が下りて来たような奇跡的な帰還であり、感激の一瞬である。6・7年前だろうか飲んで帰って来る途中で携帯を落とし、雨の暗い中で見つけてくれた辛抱強いSDの姿を思い出した。
by 1944tourist2004jp | 2015-12-21 14:33 | その他


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