人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「第38期囲碁名人戦第4局」(2)

 12時前に大盤解説の会場受付に行くと、三村智保九段が正に会場へと入って行こうとしていた。TVのNHK杯でお馴染みの顔だけに頭を下げると、彼も若干訝しげに返礼してくれた。旧知かも知れないが咄嗟のことで思い出せずにいる時、誰もが見せる笑顔だった。

「第38期囲碁名人戦第4局」(2)_f0201348_11481841.jpg 「第一日目のBS解説は確か羽根九段だったが」と思い、置かれていた対局案内の新聞を手にすると、解説は北九州市出身の三村智保九段、聞き手は中島美絵子女流二段と紹介されていた。彼女は棋界一の色白美人である。
 1時半開場に最前列の右手に座る。「もう一席正面寄りだと理想的だった」と思うが、上々だろう。
挨拶は立会人の大竹英雄永世碁聖(福岡出身)である。現在、日本棋院の理事長もしている彼の冗談を交えた挨拶に、120名(主催者発表)を越す見学者も拍手喝采。

「第38期囲碁名人戦第4局」(2)_f0201348_12142361.jpg 続いて解説者と聞き手の登壇、想定範囲の両者の立つ位置。美人を見ながらの楽しい大盤解説会となる。
 山下名人の小学校時代の泣き顔は夙に有名であるが、井山5冠共々2年で小学生名人となった逸材である。今回は井山5冠が名人、棋聖、本因坊の大3冠になるかどうかの番碁である。山下名人には申し訳ないが、私としては世界戦でも優勝した井山5冠の勝利を願っている。場の雰囲気も同じような息遣いである。

「第38期囲碁名人戦第4局」(2)_f0201348_1285621.jpg 第1日目の形勢不明の展開から、新聞解説で来ていた高尾紳路九段の「下辺の攻防で名人(黒)に誤算があったと思います。現在、形勢は挑戦者(白)に傾きつつあります」へ。
以降、挑戦者の大石を剛腕の名人が殺しに行く展開となるが、三村九段の「プロの大石は死なない」との解説通り、上辺へもつれ込んでどうにか凌ぎの展開となったところで6時15分、残念ながら閉会となる。

「第38期囲碁名人戦第4局」(2)_f0201348_12105551.jpg

「第38期囲碁名人戦第4局」(2)_f0201348_13184418.jpg BS放送の深夜ダイジェストに結果を見る。196手で井山5冠中押し勝ち、3勝1敗で趙治勲九段以来二人目の大三冠の可能性が濃厚となってきた。
将棋の世界では、田中寅彦九段が書き下ろした「神様の愛した青年」羽生善治が7冠全てを制したことがあるが、これは奇跡に近いことでやはり難しいだろう。
 最後に、下辺における「次に一手」では正解を出したが、抽選によって10名の中に選ばれず、山下名人と井山五冠の色紙が中島美絵子二段から私に手渡されることはなかった。
第5局は娘が札幌に旅立つ16、17の両日、甲府市で打たれる。

(朝日新聞デジタルより)
by 1944tourist2004jp | 2013-10-11 12:17 | 趣味


<< 「運転歴47年」 「第38期囲碁名人戦第4局」(1) >>