人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「新年最初の山登り」(1)

「新年最初の山登り」(1)_f0201348_1951927.jpg
 9日は終日晴れの予報、TVの前に陣取り飲み続けた8日間、筋力の衰えを取り戻すべく山の予定を入れる。古希を迎える老骨と自重し、また錦秋の大船山以来となるSDの体力も慮らねばならない。
しかし、冬山も実感したい。凡庸な山歴しかない私が思いつく山群逍遥といえば、3ヶ月連続の入山となるが九重山群しかない。

「新年最初の山登り」(1)_f0201348_1912620.jpg 九重ICから鄙地を長者原へと上がって行くと、牧草地の遥か彼方に稜線の美しい涌蓋山を見ながら、正面には冠雪の三股山と硫黄山が迫って来る。ところが、今朝はいずれも厚い雲に閉ざされ雄姿はなく、長者原には2・3台、大曲は0、牧ノ戸峠に10数台と、こちらも想定外の閑寂さである。


「新年最初の山登り」(1)_f0201348_1916169.jpg
 登山口により近い枠に車を入れて、登山靴に履き替えていると、突然に大柄な男性が「玖珠警察署のものですが、ご存知のように山での遭難が続いていますので、万全の注意をして頂くようビラを配っています」と近付いてくる。今日の予定や九重山群との付き合いを話していると、数人のTVクルーがやって来て二人にカメラを向ける。

「新年最初の山登り」(1)_f0201348_1919101.jpg“37thWA”日の山登りに、まさかの取材対象となってしまった。平成11年、英彦山での“守静坊の枝垂れ桜”以来のTVであった。
TVカメラを背後に感じながら、沓掛山への登りにゆっくりと歩を進めて行く。





「新年最初の山登り」(1)_f0201348_19211293.jpg

「新年最初の山登り」(1)_f0201348_1923543.jpg 一昨年は丈母、そして昨年は実母と、喪により2年連続しておめでたい元旦を迎えることはできなかったが、SDは例年と変わらず年末から“おせち料理”を滞りなく済ませる。
私は12月の山登りで知った玖珠の地鶏の味が忘れられず、「今年は魚の代わりに鶏三昧でいこう」と、元旦に合わせてクール便で“竹やぶ”から送って貰う。我が家も5人家族がいつしか10人家族となり、来年は11人となる。
気分良くたらふくと食べ、たらふくと飲んで、動いたのは神社詣でと収穫の為に行った菜園だけ。しかし、不思議と体重は微動だにしない。

「新年最初の山登り」(1)_f0201348_19252420.jpg


 「年齢のわりに筋肉量が多く基礎代謝量が大きいのかも知れない」と、勝手に自己満足し、凍った道を引っ掻くアイゼンの金属音を聞きながら整備された斜面を軽快に登って行く。


「新年最初の山登り」(1)_f0201348_19275677.jpg 今朝の遠望はかなりの貧弱さで、いつも出迎えてくれるように眺望する由布岳と阿蘇五岳は無く、近傍に位置する涌蓋山や三股山の影すら拝むことすらできない。

 阿蘇五岳を眺る展望台に来ると、中心にある山群案内のコンクリート製の表示板が鉄筋を剥き出しにして倒れている。暴風では倒されない造り、蛮勇より劣化と信じたい。



「新年最初の山登り」(1)_f0201348_19412761.jpg


 行灯のように薄ぼんやりと佇んでいる陽が、気まぐれに顔を出した時に光輝く霧氷化した路傍の木々や星生山への山肌は実に美しい。

「新年最初の山登り」(1)_f0201348_19284978.jpg寒波の襲来した先月中旬は新雪を“ぎしっぎしっ”と踏みしめて歩いたが、陽の無い山路は“がちがち”に凍てつき路面の凸凹が足裏に直に伝わってくる。二人とも数回に渡り経験している泥濘に「帰りは大変だろな!」以心伝心で歩く。


「新年最初の山登り」(1)_f0201348_19451567.jpg
by 1944tourist2004jp | 2013-01-10 19:30 | 山登り


<< 「新年最初の山登り」(2) 「残り4日」 >>