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「山群逍遥」(1)

「山群逍遥」(1)_f0201348_20394078.jpg 明けきらない梅雨空をじっと見ながら、山から遠ざかっていた1ヶ月。
そこに訪れた束の間の青空。俄作りの棚に咲く数輪のアサガオに見送られ、準備も程々に山群へと車を走らせる。

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計画も無く9時半に“牧ノ戸峠”の登山口に就く。

「山群逍遥」(1)_f0201348_2043273.jpg 待ち侘びていた梅雨の晴れ間、週の始まりにも拘わらず駐車場は盛況である。
私にとって今日の山登りはそげ落ちた筋肉の程度を知るためであり、一応6時間の山群逍遥とする。


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 セメント舗装と木段の登りに急がず慌てず、息を整えながらゆっくりとした歩調で登って行く。

「山群逍遥」(1)_f0201348_204522100.jpg展望所から三俣山越しに見る双耳峰の由布岳はなく、沓掛山からの阿蘇も棚引く雲に浮く阿蘇二岳をやっと見る。爽やかな初夏の青空ながら、雨後の清澄感はなく遠望の利かない今日の山群である。


「山群逍遥」(1)_f0201348_20454880.jpg グループやご夫婦登山に相前後しながら、沓掛山から続く尾根道に今日のルートを考える。
先ずは山群の雄である久住山に登り、最奥の鳴子山まで行き余裕があれば中岳、天狗、更に星生山まで足が延ばせるかも知れない。
緩い歩調に心拍数も落ち着いているが、初夏の陽は首筋を焼き、早くも汗が滴り落ちて来る。

「山群逍遥」(1)_f0201348_20504380.jpg ミヤマキリシマの季節は果て路傍に花は少ない。時々山群にカメラを構える程度の休息で久住分れの避難小屋まで来ると、団体さんの声高な会話が窪地から山間へと反響する。
 長雨の湿りがこの突然の暑さに靄となって視界を閉ざしているのだろう、ここにも阿蘇五岳や双耳峰は無い。
団体さんに遠慮して、広場の脇をすり抜けるように山頂へと歩を進める。上半身でリズムを取りながら一定の歩調を崩さず、ガレ場に足元を確かめながら登って行く。

「山群逍遥」(1)_f0201348_20523380.jpg 賑わいの山頂に腰を下ろすことも無く、人影の無い稲星山へ流れる尾根筋へと下って行く。
雪の山群以来である。
水路にもなっている下りだが、この2日の陽射しに黒土は乾き、難儀することも無く南登山口からの分岐点まで一気に下りて行く。

 少し肢の疲れを感じながら、2段になった斜面に上を見ずに黙々と、また一歩一歩と踏みしめるように登って行く。 中腹で一息つき、山頂に目を遣ると男性が一人山頂を楽しんでいる風である。「山群逍遥」(1)_f0201348_1111103.jpg

by 1944tourist2004jp | 2012-07-10 20:53 | 山登り


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