「氷瀑とミヤマキシミ」(2)

f0201348_15121418.jpg 休堂跡に来ると上から頑丈な石段にアイゼンの歯を立てながら3人の男性が忙しく下りて来る。「上はアイゼンが必要ですか」と訊ねると、「登りは良いでしょうが、下りは怖くて」と、ふーっと息を吐きながら椅子に座る。
 腰を下ろさず軽く調子を取りながら長い石段に向かう方が楽だと思い、一口二口と水分を補給してゆっくりとした歩調で登って行く。
 百段ガンギから中宮跡へと上がって行くと、常緑の葉に積もった雪が陽に輝き、時々垂く雪となって笹の葉を叩く、その心地良い微かな音が伝わって来る。
「寒さも行の一つとして励んだ修験者も同じ経験をしていたのかも知れない」と、古に思いを敷衍しながら行者道に目を馳せると雪道に数本の足跡が残っている。
 要所々々にロープが張ってあるのでアイゼンの必要も無く山頂への階段に出る。いつも見る階段越の青空である。




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f0201348_15174370.jpg 5・6人の人達に混じり透明感をある眺望の福岡市を一望し、難所ケ滝へ向かう女性二人と暫し談笑しながらアイゼンを履いていると、先ほどの若い男性二人が「アイゼンが無くても大丈夫でしょうか」と話掛けてくる。「積雪がどの程度か分からないが、尾根筋のアップダウンとか滝への下りを考えると相当苦労すると思いますよ」と返事する。

引き返す彼等を見遣りながら鎖を頼りに岩の隘路を下りて行く。

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 雪の縦走路には難所ケ滝からの登山者達もあり、いつもの雰囲気の自然歩道である。
仏頂山の慈愛に満ちた石仏に今日は物心ともに手を会わせることができる。
三郡山への尾根道や筑豊地区へ展望が開ける大岩に来ると、岩陰で女性お二人が昼食の真っ最中である。聞くところによると私が修験者にイメージした行者道を登ってきたとのことであった。

f0201348_15223654.jpg 昭和の森からの「滝は少し期待外れでした」との登山者情報に「ここから引き返します」と言う。私もそうであるが、皆さん方はやはり昨年の大雪の印象が強く、少なからず落胆の態である。「昨年の雪深き氷瀑」を見る時はこちら
 大石の上から数枚のパノラマ写真を収め難所ケ滝へと尾根筋を急ぐ。
下りの途中、男性がラーメンを美味しそうに啜っている。
「冬の定番ですね」と声を掛けると、鼻髭の男性はニッコリとして「いやー、本当に温まります、簡単でこれに限りますよ」と嬉しそうである。
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by 1944tourist2004jp | 2012-01-27 15:41 | 山登り | Comments(0)
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