「火渡り」

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 雨上がりの朝、これこそ山日和とばかりに澄みきった青空が一面に広がっている。京都の山友さんも家族のいる福岡の天気予報を見ているのか、私のコメントに「畑や山を楽しまれて下さい」」との返事が記されていた。

しかし、今日は真言密教清影山如意輪寺で火渡りの行事がある。

f0201348_18492822.jpg 信仰心はともかくとして、無病息災をお願いしても罰は当たらないだろうと毎年参加している。
 お経の響く本堂の大日如来に手を合わせていると、友達と先に出たSDと鉢合わせする。
開運厄除けの木札を記し本堂の中に入って仏様に手を合わせてきたとのことであった。
私もそれに倣い大日如来像を間近に拝むことができた。
 本堂から出て来ると、SDがお寺から頂いた弁当を持って私を待っていた。
参拝客が隙間なく本堂へと流れて行く中、藤棚の下で「弁当の中にもご利益が詰まってるかもね」と訳の分からない冗談を言いながら美味しく箸を動かす老僕。
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 既に荒縄で囲んだ“結界”の中心に、薪組みを桧葉で覆い火渡りの準備が万端整い、読経を増幅すための大型マイクも数台設置されている。
そして、アマチュアカメラマンも三脚を立て陣取りしている。

昨年は上からの写真が主だったので、今年は結界の最前列でカメラを構える。

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「平成23年火渡りの行事」を見る時はこちらへ




f0201348_19433883.jpg 行事について一応段取りを承知している私もご住職や修験僧姿の若い僧侶達が下りて来られる石段のはす向かいに陣取る。
お隣に白髪の男性が高価な一眼レフを肩に提げている。

f0201348_18583280.jpg 挨拶代わりに「この囲まれた場所、神道では依代と言うんでしょうが、仏教では何と言うんでしょうか?」尋ねると、「いや私も分かりません」と仰る。因みに、火渡りの後、若い修験僧に訊ねると、結界で良いとのことであった。
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f0201348_19133761.jpg お互い待ち時間の中で、写真や山の共通の趣味へと話題は敷衍していく。
5歳年長の彼は現役時代に会社の山同好会で相当歩いていたとのことで山の専門用語にも長じ、山友さんもいるようだった。
現在は写真を趣味に仲間と集いあっているようだ。
暫しの談笑に私のブログを紹介してそれぞれ好きなアングルへと分かれる。

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f0201348_19365262.jpg 半時間前ともなると、火渡り参拝客が押しも切らぬように結界の周りに集まって来る。
私の横になった男性は女性数人を連れて日田市から馳せ参じたとのことであった。そして、本寺に時々参ってはご住職の説法を聞き、「“気”を貰っています」と言う。
 頭が禿げるほどの十二指腸潰瘍を機会に物事を悲観的に捉えず良い方に考えるようになって初めて“気”の大切さを理解できるようになったと言う。
また、“気”を貰い始めて好循環に入ったのでは無く、「楽観的に考え始めて“気”が入って来るのが分かりだした」と付け加えた。
「今日も最後の最後で運よく駐車場に入れましたよ」と幸運に喜び、笑顔をつくる。
f0201348_19384489.jpg 愈々、ご住職を先頭に修験者となった若い僧達がホラ貝を吹き、錫杖を振り鳴らしながら下りて来る。
 一通り儀式が終わり、孟宗竹の先に火を付け桧葉の薪組の底に差し込む。
着火し易いような工夫がされているのだろう、直ぐに煙が濛々と青空に向け舞い上がる。
昨年は風で取り囲んでいる僧達も煙に相当苦しんだ様であったが、今年はまっ直ぐ上がっている。
立ち登る煙に釣られるように読経の声がこれでもかと増幅され、参拝客も無心に火渡りの行へと没入して行く。

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f0201348_1954416.jpg あっという間に火焔が噴き出し、想像以上に早く薪組を焼き落とす。僧達が薪組を掻き分け火渡りの為の道を造り出す。
塩と米と何か?分からないが火渡りの道に播き、儀式を執り行った若い僧から順番に僧たちが渡り、安全を確かめ参拝者を促していく。
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 私も写真を撮り終え、決して最後の福を選んだ訳ではないが、僧に錫杖で背中を数回念じられ渡って行く。
これで今年も無病息災で過ごせるだろう。
が、同時に“一年の計は元旦にあり”と週休二日制で肝臓を労いたい。
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by 1944tourist2004jp | 2012-01-17 20:05 | その他 | Comments(2)
Commented by dojyou38 at 2012-01-24 00:03
このお寺、かえる寺で有名なお寺ですね。
つい最近、友人から参拝を勧められたばかりです。
かえる好きの孫がいます。 孫が帰省した時訪ねたいと思います。
Commented by 1944tourist2004jp at 2012-01-27 15:01
今日はdojyou38さん
 寒い日が続きます。
曇天に山にも行けず燻っています。
 仰る通り「カエル寺」です。
真言密教のお寺で、色んな行事が催されています。
紅葉の時期が一番良いように感じます。


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