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「霧氷の雲仙岳」(2)

「霧氷の雲仙岳」(2)_f0201348_11105999.jpg 吹越方面からトラックが下りて来たが、丸腰のまま雪道に高度を上げて行くのはやはり厳しい冬の雲仙道路である。
園地内の整備された仁田峠へ雪道を踏みしめ、「登り始めはゆっくり」と、己を戒めながら登って行く。
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「霧氷の雲仙岳」(2)_f0201348_11171534.jpg 新雪に靴跡一つ、そして付き添う様に犬らしき足跡もある。その靴跡に自分の靴を重ねると数センチ短く、歩幅もやや短い。犬連れの女性が私より先に登っているのだろうか。若い女性は背が高いので中年かも知れないと、視界の無いルートに際限のない想像を重ねながらいつしかペースが上がって来る。
 二石の南無大師遍照金剛に頭を垂れ第3ポンプ室まで来ると、流石に厚着のせいで上半身に汗が滲む。


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「霧氷の雲仙岳」(2)_f0201348_11191153.jpg 自然石を利用した幅広の石段を30分ほど登って行くと見慣れた仁田峠である。妙見岳へのルートをとるといつしか二つの軌跡が無くなり新雪に初めて印す私の足跡である。
季節毎の観光シーズンにしか来ていないので、この閑散として冷え切った峠を見るのは非常に寂しい。「霧氷の雲仙岳」(2)_f0201348_11211946.jpg

「霧氷の雲仙岳」(2)_f0201348_22353880.jpg 売店は締り、広い駐車場の端に軽乗用が唯1台停まっている。
動くものは長い影を引き連れた私一人である。
 朝日の射す妙見岳の白い山肌にピントを合わせた後、開花の時期を待ちながら今なお眠るミヤマキリシマの遊歩道を登って行く。
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「霧氷の雲仙岳」(2)_f0201348_11345684.jpg ロープウェーの終点が近づくにつれ霧氷の付いた灌木が私を迎え、いつしか全面霧氷の木々が道を覆う。
一昨年、紅葉の大船山を目指して遭遇した霧氷には錦秋の彩りが下地にあったが、ここは白黒の世界で柔らかく付着した霧氷はまるで天使の羽毛のようである。「霧氷の雲仙岳」(2)_f0201348_11351790.jpg
「霧氷の雲仙岳」(2)_f0201348_1136351.jpg 人を送り出す時の様な白黒の世界にどうしてこれ程感激するのか分からないが、その美しさに引き込まれて行きそうである。
 張り出したガスに下界への展望は無くなったが、妙見神社への参道と鳥居を飾りつける霧氷は見事である。
俗世から隔離されたこの景色を神も楽しんでおられるだろうと、丁寧に二礼二拍一礼をして再び無事を祈る。
 仁田峠への道まで弘法大師の石仏に二度三度お願いして、ここでまた神様にお願いするとは、正に神仏習合の極みである。仏の化身、八百万の神々が何処にでも居て下さるから、日本という国は有難いし非常に便利である。

 展望台のような妙見岳山頂からの写真、国見岳と平成新山を載せておこう。「霧氷の雲仙岳」(2)_f0201348_11393120.jpg「霧氷の雲仙岳」(2)_f0201348_11395728.jpg

by 1944tourist2004jp | 2012-01-14 11:45 | 山登り


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