「多良岳のキツネノカミソリ」(3)

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 10時に金泉寺を出て、お地蔵様に会う毎に鮮明に思い出す道筋を多良岳へと速足で登って行く。
国見岳との分岐点で二人の女性に出会い、私が国見岳へ行こうとすると「眺望はあまり無いですよ」と見送ってくれる。

f0201348_19284591.jpg 昨年、7人の最後尾で下りの人待ちで+3Kさん方に置いてきぼりをくった国見岳なのでやはり一歩踏み入れたい。
 灌木に山頂の雰囲気はないが、南に五家原岳、北に経ケ岳と結構な見晴らしである。
これで遠望が利けば権現様より良いかも知れない。
f0201348_19294141.jpg経ケ岳の山容は黒木からの方が魅力的と思うが如何だろうか。

f0201348_19374987.jpg 権現様に辿り着くと、先ほどの女性二人、単独の男性二人が気の赴くままに休んでいる。
北に眺望の開けた所で休んでいる男性に色んな話しを聞きながら景色を楽しんだ後、前岳へと急坂を下って行く。

f0201348_19411243.jpg アップダウンの少ない岩の痩せ尾根、時々開く眺めは少し単調で足を止めることもない。
 先ずは座禅岩で待望の胡坐をかいて、じっくりと眺望を楽しむ。
急崖の向こうに経ケ岳、そして有明海と207号線沿いの街並み、大パノラマである。
修験僧にとっては神の啓示を受けるべく瞑想にもってこいの峭立する岩場であるが、煩悩から抜け出せない私には呼吸を楽にしてくれる景勝の場である。
 痩せ尾根を楽しんで行くと本多良を前にして、お年を召した男性が高価な一眼レフを構えている。
 誰も来ない孤独の老境二人の話す方向は水の流れのようにスムースである。
大先達の彼は長崎市の方で、昭和3年生まれの83歳。「今では多良山系ばかりです」と、顔貌は年齢より若く、矍鑠として如何にも若々しいお声である。
今日も林道から、前岳と一宮岳の中間に出るコースを来て、この後金泉寺方面に下って行くらしい。
 私は前岳へと鉄梯子を下りて行く。
1年前の山頂では、“S・TAROU”さんが魔法瓶から氷の欠片を出して皆に分けてくれた懐かしい山頂である。
口に含んだその冷やっこさは火照った身体を冷やし、金泉寺ソーメンに次ぐ思い出である。

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今日は想像できないような組み合わせであるが、冷水、冷えたバナナ、冷水、糠漬けのキューリで一休みして、六地蔵菩薩へと向かう。

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 急坂をロープに縋りながら下りて行き、じめじめとした道を岩壁に沿って歩を進めて行く。
昨年も脳裏を掠めたが、求菩提山の退蔵界護摩場跡に何となく通じている。
一人静かに手を合わせて無事の山登りに感謝する。

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 金泉寺に向かって歩き出すと、老境群団が続々と登って来る。
避けていると「後にもう少し続いてきます」と20数名を見送る。
その後も、尽きる事無く行き交う毎に休息のとれる道となった。
多良岳への石段まで来ると、先ほどの人達のザックが相当数残っている。

 少し危うい石畳を下って行くと、林道には僅か2台だった車が所狭しと留っている12時。
 
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 水神様で水を汲んで、轟峡へと走る。
山へ行くと必ずと言ってよいほど名水が湧き出ているので、最近は必ずタンクを積んで山登りをしている。
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by 1944tourist2004jp | 2011-07-29 19:23 | 山登り | Comments(0)
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