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「雨の天山」(2)

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 晩秋に野分立ち廂を打つ雨音に目が覚める。
遠くの栴檀は小枝をパラパラと落とし冬に備えている。
 朝食の後、昨日の続きを掲載しようとキーボードを前にすると、空に明るさが戻り始めている。
「雨の天山」(2)_f0201348_8583928.jpg 尾根伝いに眺望を楽しみながらの楽ちん(!)コースである。
西の方に張り出して来た雲を見ながら、予定通りの時間に七曲峠登山口へと到着する。
路肩のはす向かいには今日の仲間であろう一台が停まっている。
「雨の天山」(2)_f0201348_8592886.jpg 登山準備をした後、先ずは雲に陽を隠され薄暗い佐賀平野から有明海へとカメラを向ける。
いつしか予報通り青空が広がって来るだろうと安穏に構え、10時前に山肌の斜面に切り込む様に誂えた階段を登って行く。
直ぐにUターンするような踊り場に、山頂まで3.6kmと道標が立っている。
「雨の天山」(2)_f0201348_912163.jpg 落葉を踏み締めながら、最悪でも曇りに眺望は問題ないだろうと小さいピークにアップダウンしながら歩を進める。
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 少し展望が開けたところで、軽く「あーっ」と先導していた妻の足が止まる。
肥満気味の猟犬が私達の足元を通り過ぎ、一人の男性が「雨が降って来ましたねと!」と慌てて下りて行く。
「雨の天山」(2)_f0201348_95131.jpg 雨音は全く感じていなかったが、辺縁を枯らしたミヤコザサは確かに濡れている。
「雨の天山」(2)_f0201348_961880.jpg 展望は左右に開け気分満開の筈であるが、垂れこめてくる雲に気負う心は塞がれいつしか無口となる。
「雨の天山」(2)_f0201348_98085.jpg 多良山系の向こうには、今にも雲に頂きを刺すかのように雲仙岳の山群が幽かな佇まいをしている。
「雨の天山」(2)_f0201348_9102893.jpg だだっ広い山頂に向け最後の急坂、息切れすることも無く淡々と登って行くが期待に反して雨が顔を打って来る。
 本降りではないのでレインウェアーの必要は未だないだろうと暗黙の了解で山頂らしき所までくるが、それらしき標識はなく天山1.1kmの道標が立っている。
広い山頂の東端に来ただけである。
 彦岳からの尾根を背にして、低いミヤコザサに覆われた平坦に広がる景色を見ながら、踏み固められた道を速足で進む。

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by 1944tourist2004jp | 2010-12-03 09:53 | 山登り


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