「座禅岩」の後ろに回り込むと、磐座然とした廂のような岩が2.3座ある。
晴れた日に天を背景に座ってみたくなるような「座禅岩」である。
糠雨の中、「座禅岩」から5分ほど歩いて、急峻な斜面をロープ頼りに下りて行く。
数分ほど岩壁に沿って歩いて行くと「六体地蔵」様が岩壁を背に鎮座している。
「求菩提山」の五窟巡りと非常に似ている。
私が登ったのも雨の8月で、俗界から聖界へ足を踏み入れたような怪しい雰囲気があった。
しかし、末法の世で救済してくれる菩薩の前で、私達の煩悩は可憐な青い花を写真に収めようと必死である。
「素晴らしい花の写真をどうぞ」と、苦笑いしながら見守ってくれていることだろう。
迂回路のような道を登りきると「多良岳」登山口の最初の石段の前を通り「金泉寺」境内に入る。
色んな人と話していると得ることが沢山ある。
「S・TAROU」さんから“GPS”について色々教えて頂く機会があった。
初心者の私にはもってこいかも知れない。
蛇口からの冷たい水で、顔と頭を洗い3度目の潤いである。
気分も新たに下山口へと下って行く。
苔生した石畳は濡れ、歩幅を小さくしないと今にも足を滑らしそうである。
「滑った時のシャッターチャンスを待っていますよ!」と思いやりの声が飛ぶ。
途中、渓流沿いの倒木に雪のように白いキノコの群生を見ながら、下山口に4時過ぎに到着。
「S・TAROU」さんが「今日の行程は9km超です」と教えてくれる。
それぞれの車に乗って家路に着く。
「キツネ」が「ソーメン」に苦杯を舐めた「多良岳」登山でした。
老境の疎覚え、掲載に間違いがあったら何方か教えて下さい。
「多良山系のキツネノカミソリ」(1)から見る時はこちら